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黒白ノ風
191 方程
 「このアジトに住まない?っていう意…」
 「遠慮しておきます」
大蛇丸の言葉の意味をようやく理解した私は耳打ちで即答した。
私の頭の中では、
アジトに住む=サスケを毎朝起こす。
という方程式が成り立ったのだ。
あの激戦をサスケと毎日繰り広げるかと思うだけで鳥肌が立つ。

 「…ちゃんと三食付けるわよ。それに修行も出来る環境があるわ」
 「遠慮します。マジ勘弁して下さい」
…三度の飯がつこうが修行ができようがお金貰おうが何をされようとも私が承諾することはまずない。
 「…そんなに拒否しなくたってねぇ」
 「あのサスケの行動見たら誰でもそうなるよ」
 「・・・」
目を右にやり、サスケの寝起きの行動を思い出しているらしい大蛇丸。
少しすると私の言い分に納得した様子だった。

耳打ちを終えた私達。
大蛇丸はずらりと並ぶ朝食に目をやりながら
 「・・・まぁいいわ。面倒事はカブトに任せて…っと」
そう呟いた。
 「・・・?」
カブトは顔を上げ、大蛇丸を見やる。
その顔はこれから毎朝起こることを知らないといった表情だった。
 「サスケ君も一緒に食べましょ」
自分に視線を向けるカブトを見事にスルー。
そのまま食事を続けたのだった。

…きっとこれからはカブトがサスケを起こす羽目になるだろう。
とりあえずどんまい。
それしかかける言葉がない。
今、カブトが生きているうちに黙祷しておこう。
私は両手を合わせ、目を伏せた。

 「…君は何をしているんだい?ボクのところ向きながら手なんか合わせて…」
ここで哀れなカブトが言った。
…折角黙祷してんのに。
話しかけんなよ。
 「お前の前黙祷式」
多少の苛立ちも込めながらそうとだけ呟くと私は席を立ち、部屋を後にした。
…そろそろ帰るか。
そんなことを思いながら。

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あきゅろす。
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