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黒白ノ風
177 断入
 「ちょっといいかい?」
ガチャ
ドアをノックした人はそう断りを入れるとすぐにサスケの部屋のドアを開け放った。
その人物は大蛇丸の部下、カブトだった。

 「さっきねこのアジトの通路を壊して小鼠(ネズミ)が忍び込んだんだけど…何か知らないかい?」
…小鼠。
私のことか。
流石に壁ぶち壊しての侵入はまずかったな。

 「壁をぶち壊して侵入した小鼠?ドブ鼠の間違いじゃねぇのか?」
・・・ヲイ!
私はドブネズミかよ。
ひどっ。
 「…まぁ見つけたら始末しておいてくれよ…なんせそのドブ鼠は気配を消すのがうまいらしい」
・・・お前もか!!
そのメガネ叩き割ってやろうか!?このやろう。

 「・・・フン、アジトの警備は随分手薄のようだな」
 「こんな場所見つけれる奴がいるなんて思っていなかったからね・・・サスケ君、一応気をつけておきなよ」
 「あぁ、用事はそれだけか?メガネ」
 「そうだよ」
そう残すとメガ…カブトは足音を立てながらドアの向こうの闇に消えた。

 「もういいぞ」
サスケが私に声を掛ける。
 「ぷはー」
私は暗闇の中から光を探し、外へと出たのだった。
私が身を隠していた場所はベッドの上に無造作に置いてある布団の中である。
そこにカブトが去るまでずっと潜っていたのだ。
サスケの布団…少しドキドキしたのは言うまでもない。

 「・・・ドブ鼠」
それにしても聞き捨てならない部分があるのだ。
先程のサスケのドブ鼠という部分だ。
 「壁ぶち壊してアジトに侵入したんだろ?ピッタリじゃねぇか・・・そうだ、話してる場合じゃねぇよな…場所変えるぞ」
 「・・・うん」
私はサスケの後を追い、サスケが使用している出入り口から外へと出たのだった。

 「まぶし…」
ずっと薄暗闇にいた私の目はまだ光に慣れない。
目をしばたかせるものの、あまり変化はなかった。
 「こっちだ…」
そう言うとサスケは荒地にある大きな岩の間を縫うようにすり抜けていった。

ここでサスケの服装が変わっていることに気づく。
青い半袖と白のハーフパンツというシンプルだった服装は少々上半身がはだけているというかなんというか…な着物に変わり、大人びていた。
 「カッコイイ…」
思わず声が漏れる。
私はすぐにはっ…とし、またもサスケの後を追うのだった。

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あきゅろす。
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