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黒白ノ風
127 厚紙
印を結び、暗部の人達の前から刹那に消えた私。
ドサッ
 「痛…」
しりもちをつきながらも到着したのは…下の地面に土がない屋根。
…屋根だというのにもかかわらず、不気味と木々が生い茂っている場所・・・
 「あら、誰かしら?」
 「何故おぬしがここにいる?結界はどうしたのじゃ!?」
そして上からは大蛇丸、ほかじいの声が交互に聞こえた。
2人は一旦戦闘を止め、何事かと私を見やった。
大蛇丸は私の正体は分かっていないらしい。
まぁ、暗部は火影直轄で任務をこなす。
というわけでほかじいは暗部姿の私を分かっているのだが。

先程まで結界の外にいた私を気にも止めていなかった2人。
しかし、本来なら突破不可能な結界を通り抜けてきたということで私の存在にやっとこ気がづいたのだ。
結界内で戦闘を繰り広げていた2人、大蛇丸とほかじいのいる場所はというと・・・
…結界の“中”である。
私は今現在結界の中にいるのだ。

どうして結界も使えない私が結界を通り抜け、ここにいるのか。
理由は…ほかじいにお守りだと言い、渡した厚紙にある。
ぼけてもこの厚紙に電話番号と住所でも書いておけばどうにかなるかも…などと笑いを混ぜつつ渡した厚紙。
内側には…口寄せのような術式が記されている。
まぁ真白たんに教えてもらったためか、少しこの厚紙の効果を忘れてしまった。
効果はこのとおり、ある。
それは言いきれる。
その仕組みがあるからこそ私は結界の中にいとも簡単に侵入出来たのだ。

まぁ、前の大蛇丸との戦闘では見事に幻術で気絶させられた私。
それを通過して、今ここにいる。
もともと私はそれなりに強い。
・・・と言うのは、まぁ自画自賛だが、少しは戦力の足しにはなるだろう。
少しでも運命が変わるように、何でもしたい。
ほかじいにしても、恩返しがまだである。
まぁ、先に逝かれると困るので。

 「加勢しますよ?」
暗部の姿に身を包みながら静かに問う私。
 「…全く、困った奴じゃのぉ」
そんな私にほかじいはあきれ気味で返答。

すると、今まで黙っていた大蛇丸が口を開いた。
 「…やっぱり来たわね。さっき誰?なんて言ったけど嘘よ・・・水野サチちゃん…クク」
 「・・・」
 「結界を通り抜けてくるとは…木の葉はやっぱりいい粒が揃っているわねぇ…」
大蛇丸はいたいけな少女に対しても膨大な殺気を当てる。
 「それはどーも」
私も負けじと殺気を飛ばした。
 「けどね、今サチちゃんに動かれると・・・迷惑なのよ」
シュッ
 「…!?」
キィンッ
突如、私に向かって黒く鈍い光を放つクナイの切先が飛んで来た。
私は瞬時にホルスターからクナイを取り出し、それをはじく。
すると飛んできたクナイは小気味のいい音を立てて地面へと吸い込まれた。

大蛇丸は動いていない。
…なら誰が…?
微妙な気配があったので私はクナイの飛んで来た方向を凝縮した。
 「出て来れば?」
そして、そう一言。
私が声をかけると、木の影からスッと人が出てきたのだった。

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あきゅろす。
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