お前なんか嫌いなはずなのに
「飛段、テメー」
「何だよ」
「大嫌いだ」
その翌日、私の体したサソリさんは飛段にも告白のお返事を丁寧にしていた。
もちろん私は知らない。けれど私の体だけはやっぱり飛段が嫌いだと知っていたらしい。
「嫌いだって言ってんだ。へばり付くな気持ちわりィー」
「良いじゃねーかよ、減るもんじゃねーんだし!ケチケチすんなって」
「………………。」
もちろんこいつもこいつで、中身がサソリさんだと知らない。
知ったらショック死するかもしれないべたつきだ。いや、死なないけれど。
「離せ殺すぞ」
もちろん死なないこいつは、殺すという言葉に滅法強い。
そんな事で離すわけがなかった
「んだよ、やっぱ名前ちゃんもサソリのやつが好きだって訳かァ?」
大嫌いだと言ったくせにサソリさん、無言になった。
「あんなやつ好きなわけ、」
「ほらな、好きな訳ねーんだよなァ?」
「…………………。」
大嫌い、なはずなのに。やっぱり私の体だ。
私を嫌いだと言えても、サソリさんが嫌いだとは言えないらしいです。
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