何でもない事に、何かはある 何とかなったが、何とかなるだろうか。 デイダラの恋する力の活躍により一日で任務は何とかなった。けれど待つのが嫌いなサソリさんを待たせている。 何とかなるだろうか。 「遅ェーんだよ」 何ともならなかった。 ヒルコみたいな血相をして身構えているかと思ったら、サソリさんは真顔だ。 それは相変わらずな顔ではあるのだが、あくまでサソリさんの体は今私である。 つまり、感情はダイレクトで表情へ伝わるということ。なのだが。 「怒ってます…?よね、サソリさん」 「聞くまでもねーだろ」 本当に聞くまでもなかった。 サソリさんは今、怒ってなどいないのだ。と言っているみたいな真顔をしていた。 聞くまでもないが聞きたくもなる。 「待たせた事ですか?それともまさか心配でもして……」 「心配なんかしてねーんだよ。図に乗るな」 確かにこれは何時ものサソリさんらしい口調であり、怒っているようにしか聞こえない。 けれどサソリさんは怒っていないと言う。 サソリさんらしくない。 「じゃあ他に、何があったんですか?」 こればかりは何でもない訳は無いはずだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |