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空気の読めない馬鹿

「まさかと思うがサソリの旦那、名前と入れ代わってるなんてねェよな」

「………!」


ありのままを話さなかったはずなのに、こいつはありのままの事を口にした。


空気の読めない馬鹿じゃなかったのだろうかこいつ。
にしては空気読みすぎる。


「デイダラ、今何て言っ…」

「何て冗談だ旦那!怒るなよ」

「…………………。」


「そうだとしたら泣いてる旦那を見るのもおかしくねーって思っただけだ、うん」


こいつ、本当にいつから空気の読める馬鹿になったんだ
まさか体が入れ代わってるだなんて話はしていないはずなのにまさか見事に当てられてしまうだなんて。
冗談だとはいえ、空気読みすぎる。

「まー何があったかは知らねーが、サソリの旦那」

冗談でも泣いたりしないサソリさんが、冗談抜きに泣いているのだからサソリさんだって事を忘れたのだろうか。
中身は私、でも体はサソリさんな私にデイダラはポンッと手を乗せて笑いかけた。


「元気出せって」

「…………!あ、ありがとデイダラ」

思わず私も体がサソリさんだって事を忘れて、笑い返してしまった。

「…………旦那」

ヤバイぞデイダラの顔が「!」ってなってる。
これはやっぱり、冗談がマジなのだとバレたのだろうか。



「……泣くだけじゃなくて笑えたんだな」

「え」

「少しだけドキッてしたぞオイラ」

「え」

「か、勘違いすんじゃねーぞ旦那!別に惚れたとか気持ち悪ィー意味じゃねーからな!ただ本の少しドキッてしただけだ!」

「………………。」



やっぱり空気の読めない馬鹿だ

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あきゅろす。
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