戻れないなら、戻れないなりの考えがある さあ犯人はどいつだ その答えはすぐに解かれた。術は解く事は無いけれど、答えはあっさりと解かれた 「ほらねサソリさん、だから言ったでしょ」 メンバーの誰かが術をかけるなんて無理があると。 そう言った翌日、その言葉は証明されたのだった。 「暁といざこざはこれで二度目だ……」 「三度目にならないようにもうやめようかサソリさん」 「チィ」 結局一人一人聞きに行ったサソリさん。いや、一人一人に「テメーが術かけやがったのか」と濡れ衣をかけて半殺しを試みたサソリさん。 暁に入る時にいざこざを起こしたと聞いたが、まさか再現してくれたのだろうかこの人。 「じゃあどうしてこうなったのかテメーが答えろ」 「無理です」 無論メンバー達が何も知らなければ、私が知る訳もない。 「ああ、そうか外部の仕業だって事か」 それも無理でしょうとは言えず サソリさん、いざこざだけで無く動揺も起こしているらしい。 アジトに結界が貼られている事を忘れてるよ完全に。 「誰の仕業でこうなったかは分からないけどサソリさん、こうしませんか」 「ああ?」 体が入れ代わった事を誰かに悟られないように、今の自分を演じよう。 いざこざを起こしたサソリさんという名の私の体では、もう無理だろうか。 [*前へ][次へ#] [戻る] |