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パニパレ夢。(主:乃凪)
お誕生日おめでとう、ノリちゃん。―誕生日じゃないけど乃凪夢。主人公は幼馴染。
お誕生日おめでとう、ノリちゃん。


幼馴染って、どんな関係なんだろう。

いや、一般的な定義は分かってるけど…最近良く分からないんだ。
小さい頃は…「幼馴染」で満足してたし、その関係が特別な響きで、くすぐったくて心地よかった。

でも今は…なんだろう、その言葉の響きが…胸に詰まって、苦しい。


好きになったから、なのかな。

満たされていたはずの関係がいつの間にか、物足りなくて、むずむず感じる。

もっと、…もうちょっと進みたいと思うのは、いけないこと?



「あ、ノリちゃん。何してるの?」

体育の時間。日陰で休んでいるノリちゃんを見つけた私はその隣によっこらしょと腰を下ろした。

「んー?見学だよ。今ちょっと気分が悪いから―」
「そうなの!?だめだよノリちゃん、無理したら。」

「だから休んでるの。…気にしなくていいから。というかそもそも、なんで紫騎が隣に来るんだ?授業はどうした授業は。」

「そんなの気・に・し・ない☆」
「気にしろ。」

茶目っ気たっぷりに言ってみたのに、ノリちゃんてばずばーっと一言で片付けちゃったよ。
ふん、だ。いいもんね!

「大丈夫。今は先生がいなくて自由な感じだから。」
「いや、それにしても―」
「さっきまで運動してたから、ちょっと休んでるだけですーぅ」

「はぁ、まあいいけどな。普段は真面目みたいだし?」
「何で疑問系なのさ!?私はいつも全力投球。今も全力で休んでる―
というかノリちゃんの世話をしてあげてるんだからねッ!?」

「あーはいはい、ありがとうございますー」
疲労した様子のノリちゃんが投げやりにそう答えた。
あ、ちょっと体調悪そう。

「ごめん。調子悪いんだったね。もう、しょうがないなあノリスケは。」
「…何が。」

「自分の誕生日の日に、調子を悪くするかね?」

そう言うとノリちゃんは一瞬固まって…小さく声を漏らした。

「……あ。」

「あ、ってやっぱり忘れてたの?毎年毎年よく忘れられるね、更年期障害?」

「ちげーよ。…紫騎こそ、なんでいつも覚えてるんだよ。…何か、毎年家族より早く言われるんですが。」

「それは…幼馴染だからだよ。」

あ、私ってばずるいな。
幼馴染という響きを嫌っている癖に、こういう逃げるような場面でだけはこの言葉を出すなんて。

「……ああ…そうなのかな。」

そう答えたノリちゃんはちょっと寂しそうで…
…私と同じこと思っているのかな、なんて調子の良いことを考えてしまう。

「しょうがないな〜…風邪気味ノリちゃんに、私から特別にお祝いの言葉を上げるよ。ちょっと耳貸して?」
「は?何で急に…」
「いいから。」

渋々?と言った感じながらもノリちゃんはこっち側によってくれた。

…わ、近いな、…緊張する。
ていうか私、なんでこんなことを言った…?

ただ「おめでとう」って言うだけなのに特別な言葉とか言っちゃった…何か、特別な…ことをしなきゃね、

特別な…

「ノリちゃん、おめでとう。」
耳元でこっそり囁いて……それだけで良かったと思うんだけど、

それなら誰にだって言える気がして、物足りなくて…

「好きだよ」

ちゅ。

ついでに頬にキスをしました。…て……え、私何やってるの!?

ちらっとノリちゃんを見ると、ノリちゃんは見事に呆然としてた…ああ、これはまずい!

「わ、私からの愛だよ、有難く受け取るがいいさ!わははは〜!!」

恥ずかしがっているのを悟られまいと(なぜか)沢登先輩口調で勢い良く立ち上がった私は、
そのまま全力疾走で友達の所へ向かった。

(ああ、何やってんだろ私っ)

これで幼馴染として居心地良かった関係も、その関係について悩んだりするのもお終いだね。
これからは幼馴染よりも遠くなるか、近くなるかしかない…。

…でもね、ノリちゃん。
例えノリちゃんが私みたいに思ってくれていなくても、好きな人がいたとしても、私は簡単に諦めないよ。

できれば沢山、側に居たい。一緒に笑いたい。

だって、…大好きなんだもの。


ノリちゃんは、私のことどう思っているかな?




―渇いた音が空にまで響き渡ったような気がして、俺は誕生日だと告げられた以上に固まった。

今、何?…頬にキスされた?

呆然とした俺にはお構いなしで勢いよく立ち上がった彼女は

「わ、私からの愛だよ、有難く受け取るがいいさ!わははは〜!!」

と沢登みたいなことを言って去っていく。

あれか、言い逃げ&やり逃げ?なのか!?

いつの間にか赤くなった頬に早く収まれと念じながら、右の頬をそっと押さえる…

全く、あいつは驚くことをするのが趣味なんだろうか…それとも別の理由から?

「うわ、今の見た?!」
「え、何々、見てなかった。」

「さっき、乃凪が彼女らしい子にキスされてたぞ!ほっぺただったけど!」
「ええっ!?マジで!?」

ざわざわ、ちらちら。


ああっ、めちゃくちゃ見られている…!くそう、何でこんな―

「ノリちゃん?」
いつの間にか俺の目の前に居た内沼に右肩をがしっと掴まれる。

「内沼…」
「どういうことか、この親友である俺にきっちり説明してくれるよね?」

いつもは友達発言されると否定するくせに、人の恋路?にだけは興味深深らしい…
いや、俺の邪魔をしたいだけかもしれないが。

「誰が親友だ誰が!!」
とりあえず俺は目だけ笑っていないが満面の笑みをしている悪友に突っ込みを入れておいてその場を凌いだ。

後の質問攻めには一切ノーコメントで押し切った自分を英雄だと褒め称えたい。


…いつの間にか、体調の悪いことなんてすっかり忘れていた。



それからは授業が終った後も、何故かあの言葉が心の中で再生される。

「ノリちゃん、おめでとう。」
「好きだよ」

何度も。…

なあ、本気にしたら…笑うかな?

好きだって言ったら、関係は変わるのだろうか。

良い方向に変わるのなら…そう告げるのも悪くない。
悪い方向に行くとか想像するとへこむけど、さ。

言ってみてもいいような気がしたんだ。

なんたって根は真面目な彼女が、特別な誕生日プレゼントをくれたのだから。
本気にするよ?

この関係を変える一歩を踏み出してくれた紫騎に、俺もあと少しの勇気を振り絞って。


この想いを伝えるから―

待ってて。



あとがき。

はい、10月7日11時40分頃書き始めたんですが、見事に日にちが変わっちゃいました…ああ、
日付変わる前にパニパレで「最初から」を選んでノリちゃんルート狙いで一通りするのと、
小説を一本書くことを目標にしてたのに叶わず…

…特に一番始めからパニパレするとなると時間がかかりました。補助アイテムDr.デコポン
(一度見たイベントを飛ばす事が出来る)をOFFにしたからねッ!!
乃凪ルートの突入さえもまだです。5月にもなってねえ!

これじゃあ間に合わない!ということでゲームを止めて小説に…まあ結果間に合わなかったんですけど…
そこはほら、いいじゃない☆←

書き上げられて私は満足♪お誕生日おめでとう、ノリちゃん!!
何度もおめでとうと言ってるけど気にしない☆本当おめでとう、ノリちゃん。

ではまた…ノリちゃんフィーバーはまだまだ続くぜ☆
(もう一本創りたい…今日中に)


あとがきのあとがき。

…ということらしいです(え)
上の文は去年の10月7日(正確には8日)ノリちゃんバースデー
に書いた駄文をそのままアップっぷVv←したものなので
もう本当…すみません。

乃凪の誕生日はまだまだ先でございます…
本当季節感やイベント感皆無のそんな我がサイト。

…ではさよーならーあはは…ごめんなさいッ(反省)


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