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五月五日―お誕生日記念雲雀夢07年度分
今日休みかー…ん?きょうやすみ…?きょうやすみ…きょうや―
あーーーーー!!


「お誕生日、おめでとう!!」

応接室で書類に目を通していた雲雀の前に、まるで邪魔をしにきたかの様に勢い良く扉を開けて叫んだ人物が一人。

雲雀は思いっきり眉を顰めて彼女に訊いた。

「…何急に」

「だって、今日おめでとうでしょ?誕生日!!」
「何で今の時間になってわざわざ言いに来るの?」

因みに今、時刻は午後4時すぎ。夕暮れ時である。

「え?…まあ、細かいことは気にするな!!え、忘れてないよ?ホントほんと…休日だからつい忘れちゃうんだよねー」

「ふぅん。忘れてたんだ」
一人芝居をしているかのような彼女にはあ、と一つため息。

「うっ、ま、まあ細かいことは気にするな!!」
「その発言二回目だよ。…誕生日なんて別に気にしてないからいいけど。」

「だ、駄目だよーお祝い、お祝いしよう!!」
「興味ない。お祝いしてくれなくていいから、いっそ黙っててくれない?邪魔」

「酷い!!…あ、じゃあその仕事手伝う!!」

その発言に雲雀はたっぷり間をあけて一言。

「……………君が?」

「何よそのなんとも言えない表情は!!こう見えて私、成績はかなりいい方なんだからね!」
「そうみたいだね。僕の言わんとすることが解ってて『こうみえて』って発言をしてるみたいだし?」

「なんですか、雲雀は私虐めが好きなんですか?」
「うん。」
「素直に頷かないで!!」

むきーっ、と彼女は地団駄を踏んだ。
…今時古いな。

「…ま、仕事はもう片付いたから。僕は帰るよ。」
「え、終わったの!?」
「まあね。」

机上を片付け、立ち上がり上着を羽織りながら雲雀はちらっとこちらを見た。

「で、祝うって何をしてくれるの?」

「え、お祝いさせてくれるの?」
「させてくれるのって…君、他人を祝うのが好きなの?」

「うん!だってお菓子とかケーキとか食べれるし、誰かが喜んでくれた時の笑顔って好きだもん!!」

「思惑ばれてるよ。」
「えへへ。じゃあとりあえずたい焼きでも食べてかえ−あ、駄目だ!!」

彼女が何か思い出したようなので応接室のドアを開けながら雲雀は訊いた。
先に彼女に出るように促す。

「駄目って…」
「今日は、子供の日!!だから柏餅帰りながら食べよう!!あ、ありがとう。」

「この風紀の腕章見えないの?買い食いでしかも柏餅?」

ばたん、ドアを閉めて玄関へと向かう。

「い、いいじゃんかたまには!!雲雀恭弥様に買い食いを指摘する輩なんているわけないでしょ!?あ、今日喧嘩するの禁止ね!!」

「それ祝うって言わないよ。寧ろ罰ゲームだよ。」
「んもう、私がいるからいいじゃない。」
「つまり君を咬み殺してもいいってことかい?」

………………………………………
「すみませんでした、私を咬み殺すのは辞めて下さい。喧嘩も辞めて下さい。」

今、僕達は校門をでて人通りの多い場所まで来ていた。
危機感を持ったのか必死に謝る彼女にふう、と短く息を吐く。

「…今はそんな気分じゃないからいいけどね。」
「ほんと!?良かった!!」

微笑む彼女に、何故か妙な感情が僕を支配する。
…多分、虐めたいから、かな?


「うわ!、な−」
抱き寄せて、驚く彼女の頬に、キス。

「な、なななな何するんですか!?」
思わず敬語になる彼女の問いに

「虐め。さっきまで僕の誕生日忘れてたから」
そう返しておいた。

「いや、別に興味ないって言ってたじゃんかぁ!!」
「なんとなく。気分だよ、気にしないで」

「気分っって!!気になるから!!!」

「早く柏餅食べようよ。君の好きなスーパーのでもいいけど、手作り表記があって皮に弾力のある美味しい餅じゃないと食べないからね。」

「…〜っ、分かった、分かりましたよ!!そんな厳選素材使ってるような柏餅スーパーに置いてないよ!…どこか売ってそうな店は、っと…」

やっと頬に添えていた手を放して彼女は僕と少しだけ距離を置いた。
先に歩いて、きょろきょろ辺りを見渡す。

ちらりと見えた顔が赤かったから……多分、恥ずかしかったんだと思う。
休日で人通りは多いから、分からないでもないけれど。

「…先に行かないでくれる?僕の前を歩くの禁止ね。」

そういって無理やり、彼女の手をとった。
だって、…隣に居て欲しいし、ね。
彼女が一人先に行くと何か事を起こしそうだから。

「わわ、手、繋いでますけど…」(しかも恋人繋ぎ)
「放すの面倒だし、このままでいいよ」
「ま、まあ雲雀がいいならいいけど、さ…」

そう言いながら口篭る彼女の手をしっかり握って、まだ明るい道を二人で歩いた。

誕生日にこんな特権があるのなら、これからは覚えておこうかな。
君と二人、来年も同じ様に手を繋いでいられることを願って。


「で、誕生日プレゼントは何かあるんだろうね?」
「えっっ!!?…か、柏餅、じゃ駄目?」
「…だめ。」
「ううっ」
「じゃあ、僕の家に着いたら僕に奉仕してくれる、って条件にしなよ。」
「え!?」
「決定ね。」

彼女の表情に笑みを零しながら、僕は密かに考えていた。


君の誕生日、どう祝おうか。




あとがき。

はい、雲雀夢07年5月5日?かそれ前後に書いた夢でした。…相変わらずの駄作ですが…お気に召したなら幸いでございます♪

…今回もしかしなくとも変換なし?ワオ。

UP 08.05.05

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あきゅろす。
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