貰って下さい…何を?―07年?バレンタイン雲雀夢 今日は、バレンタインデー。 皆の顔も、心なしか緊張してるように見える。 私の心も、どきどきわくわくしてる。 お日柄も良い本日、私はなんとチョコを持ってきました。 バレンタインだから当然でしょー?なんて思ってはいけません!! 私がこんなことするなんて、生まれて初めてなのです… くう、これも惚れた弱みという奴ですね。 チョコ、というか甘いもの食べてるイメージないから、渡すべきかどうか迷ったんだけど。 いや、そもそも貰ってくれるかどうか分からないけどさ。 …彼女なのに、何この不安。 …だって渡す相手って… あの人、ですから。 「あの、さ」 「何?」 勇気を振り絞った第一声に素っ気無い返事。 なんか不機嫌? そう思いつつも鞄に忍ばせたものを渡そうと…紫騎は勇気を振り絞って声を出した。 「貰ってくれますか!?」 「―を?」 「はい!!」 上手く聞き取れなかったけど、どうせチョコを渡すってことは伝わってるだろうから、思いっきりこくこくと頷いた。 … なぜか彼は真摯な顔で考え込む素振りを見せる。 え、何?そんなに考え込むこと、これ? 「…あと三年待ってくれる?」 「三年!?」 (貰う気がないならないと言いやがれこんちくしょう!!…畜生道発動させるぞ!あ、これ違う人だった) 「い、今すぐ貰ってください!!」 「…でいいなら」 「こんにゃく!?好きなの!?」 「婚約だよ」 え? ん? ……… 「ごそごそ…これ」 紫騎は大事にしまっていたチョコレートを取り出した。 「ああ、…そういうことか」 彼が納得した様に呟く。 そして、彼は紫騎の差し出したチョコレートを受け取り。 じっとそれを見つめる。 … 私はそんな雲雀を見て激しく思った。 え、まさか私が告白…というかお嫁さんにして下さい!!って言ってると勘違いした!? しかも、三年後なら、って …肯定ですか!? う、嬉しいような、恥ずかしいような…… じっとチョコレートを見ていた雲雀がいつの間にかこちらをじっと見つめている。 それに気付いた紫騎はかあ、っと頬を赤くすると俯いた。 なんか… 気まずいです… そうして、三年後。 私たちがどうなったか、は…ご想像にお任せします。 「紫騎?指輪外して置いたままにしてたよ?」 「ちょ、恭弥、しーっつ!!」 「??」 END [次へ#] |