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黒子のバスケ(主:黄瀬、高尾他キセキ予定)
I will be there for you.―高尾夢(後編)

あらすじ。
最近避けられてる紫騎ちゃんと
一緒に帰る約束を取り付けた。

そして今、彼女を送る形で一緒に歩いている。



横にいる紫騎ちゃんをちらりと見遣った。

「…何よ」
「何でもねーよ」


んーちょっと機嫌悪そうかも。
言わねー方がいいかな。

いや(俺にとってだけど)嬉しいことは分かち合いたいし。


思い切って俺が好きだった「マイちゃん」への
告白が上手くいったことを紫騎ちゃんに報告する。


「そっか。オメデトー」
「棒読み?」

「おめでとう。良かったね。」
「おう。幸せライフが待ってるぜ」

幸せオーラ全開にすると、はぁと嘆息される。何だ?


「なら何で今日一緒に帰らないの」

「ほぇ?あーその手があったか」
「バカでしょ?」

「ちげーよ。紫騎ちゃんと一緒に帰りたかったの!」


「彼女持ちでその発言はどーよ?」
「ははっちげぇねー。でも報告したかったからさ」


紫騎さんのお陰です。本当に感謝してるよ。


「なら今度から出来るだけ話さないように心掛けますね」
「エッ!?何で!?!」


「付き合うようになったんだから誤解与えたら
困るでしょう?」
「そりゃー…そうだけどよ。」

寂しいじゃん。


「私にどうしろって?」
「や、相棒なんだし夫婦漫才続行ってことで」

「はー高尾、ワガママ」
「そうかもな」

「私彼女さんに謂れのない恨み買われたくないの」
「あーだよな。ごめんでも」


紫騎ちゃんと一緒にいたいしなー。


「…」

素直に告げたら彼女の足がぴたりと止まった。
紫騎ちゃんの家はもうちょい先だけど

「ばか」
「は?」

「ばかばかばかばか」
「何なのどったの?」


「アンタの目は飾りだよ!馬鹿なのだよ馬鹿!」
「だから意味わかんね」


泣いてた。



「えっ」

紫騎ちゃんが泣いてた。

ぅえええええ!?
俺は超パニックになる。


何俺一緒にいたいって言っただけなんだけど
感動しちゃった?いやそんな感じじゃねーよコレ
怒ってるオーラだよ。


「…何でもないッス」
「ええええ何でもあるじゃん俺無神経だった!?ごめん」
「知らない謝らないでばか…ぐすっ」

「何だよはっきり言ってよ」

「…や」
「言ってくれなきゃわかんねーし」

「……言ったら困るよ」
「え…?」


「高尾、困るよ?」

ドキッ
心臓が生きてるぞって主張してるみたいにうるさい。


これは経験則から言うが、告白の雰囲気と酷似しているのだ。

いやぁないか。ないない。彼女が俺を―


「き」
「っ!」


「高尾が好き」

言いながら彼女は顔をくしゃくしゃにして泣き出した。


彼女がこんなに表情を変えたのは練習試合の時に
微笑んでくれた時以来だともう一人の俺が冷静に分析する。


俺が好き?
嘘だろ。いや

嘘、には到底思えない。心臓うるさい。


「…泣くなよ」

今までフッた子が泣き崩れるのを見ても申し訳なさしか
残らなかったのに。


「俺紫騎ちゃんに泣かれたらどうしていいかわかんねーし」


彼女に泣かれると胸が潰れそうだ。
何でこんなに辛いんだろ。

「……ごめ、放って、おい、てっ」
「…でも」

「帰って!」

「帰らない!!」

「っ!」

「このまま帰れないからっ!」
「……っうぇ」


「泣くなって…紫騎ちゃん」

そっと顔を覆う両手を外して

「…?…っ」
彼女の口を塞いだ。


ぴくりと、僅かに肩を上下させて、でも彼女は抵抗しなかった。


「た、かお」
「っ」

―俺今何した?
やべ顔が超熱いってか紫騎ちゃんは…?


「……」
彼女は俺を少しの間みてかと思うと、何を悟ったのか
また目に涙をいっぱい溜めてた。



「高尾は、やさ、しいんだよ。でっもッ」

でも


「今のは優しいんじゃなくて、ただ残酷なだけだっ!」
「!紫騎―」


走り去る彼女を見ていることしかできない俺は
唇を引き結んだ。

まだ、感触が残ってら。


(何やってんだ俺)

彼女の言ったことは正しい。
手出すとか最低じゃん。

自分自身の行動が理解不能だわ。










翌日、当然のことながら彼女は学校に来て
当たり前の様に挨拶してくれた。

「…おはよう」
「おうおはよ!」


でもそれだけ。他は全部ほぼ無視されて一日を過ごす。
わかってる。俺のせいだってわかってるけど空しい。

このままの状態が続くのはぜってえヤだ。


(そういや今日マイちゃんと帰る日だった)
あー

マイちゃん<紫騎ちゃん

だけどダメかな。今だけ緊急事態だから仕方ない!
と自分に言い訳して彼女のいるクラスに向かう。

「あり?」

結果としてマイちゃんは、いた。
いたけど…男子とすっげー楽しそうに話してる。


『高尾くん以外の男子とまともに話したことないの』
とか言ってたけど…まぁいっか。どーでも

(ん?彼氏としてそれはどうだろう)
焼きもちやかない自分に驚きだ。まあ心が広いんでしょう。


「あっ高尾くん」
「今日はー今日帰る約束してたんだけどさ」
「うんっ一緒に帰れるよ?」

「え、いや帰る約束してたんだけど大事な用事が」
「ええっ嘘〜彼女より大事な用ってなーに?」



うわ、彼女強調しながら顔覗き込まれた。
紫騎ちゃんなら大事な用って言ったら


「大事な用なら仕方ないね。よきに計うがよい」
「ははー紫騎様感謝でござるー」

みたいなやり取りで済むのに。
彼女の場合、言わなくても察してくれんだよなぁ。
てか想像の紫騎ちゃんも面白っ

あれ俺いろんな意味でひどい子?


「いやあ友達と喧嘩しちゃっててー」
「仲直り?一緒に考えてあげよっか。」

「ああいっすよ俺一人で考えるんで」
「そう?じゃあまた帰りにね〜」


だ・か・ら!一緒に帰れねーって主張してんじゃん。
あーもうしょうがない。彼女送ってから
紫騎ちゃんの家帰りに行こう。

幸いトレカの件で弟さんと話しに家行った事あっから
場所は割れてるもんね!



そして帰り道


(どーすっかな〜何て声掛けようかな)
隣に彼女がいるというのに、俺の頭の中は
別の女の子で一杯である。

素直に謝るのが一番かな。
そもそも俺はあの時どうしてあんな行動とったのかが―


「くんっ高尾くんってば!!」
「っああごめんごめん。声掛けてくれてた?」

「さっきからぼーっとしてるよ?休み時間に言ってた
喧嘩しちゃった人のこと考えてたの?」

「んーそんなトコかな。あ、もう家か早いねー」
彼女の家が学校から近くて良かったとほっとしていると



「待って」
と裾を引っ張られた。



「高尾くん…」
ずいと、顔を出してくる。えっ何これキスの流れ?
家の前で??


(あ)
昨日のことがフラッシュバックしてくる。

震える細い肩、綺麗な涙。柔らかくて暖かい唇。
紫騎ちゃんは誰より女の子だと思った。

守ってあげたいみたいな。
ああーもうきゅんときちまうぜ。


「汚したくねーし」
「え?」

「あー」

反射的に出てきた言葉にしまったと思う。
悪いけど、後悔は全くのゼロ。


「ごめん、遠慮しまっす」
「高尾くん…?」


「ごめんな。じゃー!」
「えっちょっと!」


彼女の静止を振り切って走り出す。




―高尾


彼女の笑顔と俺を呼ぶ優しい声。

何度も何度も脳内で繰り返す。
その度、胸が震える。

ああ、何もかも紫騎ちゃんの仰る通り。

俺はバカでした。
気づくの遅すぎ。




(確か今日日直だったよな。)

家に寄ろうと思ってたけどこの時間ならまだ
学校かもしれない。


(いないかな?いやとりあえず行ってみる!)
じっとしてなんかいられなかった。


青春だぜってもう一人の俺が茶化すが全力でスルーだ。




もう一話続く

130617

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あとパス(あとがき)

130522にほぼ話ができてたのにアップ
してませんでした。すまぬ…!

だって、話が変過ぎてアップしたくなかったんですもの。

高尾ちゃんのキャラも良く分からなくなってきた!
好きになればなるほどわからなくなるってやつですね
(違う)

高尾の場合、幼馴染を好きになるけど身近過ぎて
自分の気持ちがよくわからないパターンが
いいと思います。きゅん。

今回は幼馴染ではないけど(笑)

関係ない話ですが一番くじの高尾人気が凄すぎる件!
まあ私は夜更かし二日して2コゲットしましたけどね!
(誇らしげ)


作業中BGM:高尾NG集の歌とかばっかり


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