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彩り豊かな大三角
十三話

(※ここから変態注意)


その後五分、さすがに声が枯れてきた。

先輩は、飽きるまでくすぐり続けるから、早めに声が出なくなって良かったぜ…。


「しぇ、しぇんぱい…っ、ひっ…も、やめ…ははっ、ひぃ…」


「…もうちょいするか」


「な、なんれぇ…っ!ひゃはは、ふぁ、あ…」


…あれ。いつもこんくらいで止めてくれるのに、今日は長いぞ…っ。

き、きつい…!呼吸がぁ…酸素がぁ!


「ひゃい、しぇんぱいぃ…はぁっ、もう…無理…ぃっ、」


「…あん?まだイけんだろぉ?」


…あれ?ちょっと待て、なんかおかしい。


『しぇ、しぇんぱい…やめぇ…もう…無理ぃっ』


『あん?まだまだイけんだろぉ?もうちょい』


断片的に繋ぎ合わせてみると、こうなった。


…おい、どこの獣八禁小説だよ。
先輩もわかってヤってんのか…あ?


手つきがだんだん…優しく…っていうか、撫でるように…愛撫するように…。
さりげなーく、俺の胸へと周りを刺激しながら進んで…


(°д°;;)ハッ!

喰われるっ!!!


その瞬間、力が入らなかった俺の体から、ものすごい怪力が溢れ出た。


ガバッ!


「先輩っ!なにやってんすかっ!」


「え?あ、あぁ…おう」


しどろもどろになった先輩…気まずそうに視線を下に逸らしている。


「先輩…今俺のこと喰おうとしたっすよね?」


「…………………気のせいだ」


「沈黙長っ!やめて!嘘でもいいから冗談って言って!」


「……………………………………………冗談だ」


「沈黙長っ!そして絶対冗談じゃないっ!」


とりあえず手を膝に戻した先輩を確認してから、またベッドに倒れ込む。ようやく取り込めた空気にちょっと感動しながら。


「はぁ…勘弁して下さいっすよ!俺バリバリノンケっすからね?」


「俺もだよ!雌以外興味ねぇ」


「…じゃあ今のは?」


「…………………………………………………………………………冗談だ」


「沈黙長っ!嘘見え見えっすよ!」


先輩ノンケだと思ってたのになぁ…いつからだ?最近会わないうちに何が…?

この軍隊の寮では、わりと同性愛者が多い。ていうかそれ目的の人もいるしな。

理由はもちろん、外と隔絶されたような空間にある、雄のみの寮住まい。発情期が来ても、雌の相手は見つかんねぇしな。それで同性愛に目覚める人は多いらしい…あ、俺はノンケだ、女の子サイコー。


「えー!いつからっすか?」


「だから、俺はノンケだと言ってるだろ!」


「ノンケはこちょこちょの途中に雄が喘ぎ出したら手止めて引きますー!100%ゲイだ!」


「ちげぇし!」


うぬぬ…認めんな!

今さら逃げ道はないんだぜ!




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