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交錯する極彩色
九話


想像していたより大きい…これがまず第一印象だった。

想像していたより豪華だ…これが二つ目の印象。


三つ目は…


「…想像していたより高いなっ!」


「…そうですね」


豪華な外観だけあって、それに見合った金額だった…あの町長…ちょっとズルいな。

ガロンさんが宿の人とチェックインの話などをしているのを聞いていると、団体割引なんてものもあるらしく。
…でも格安宿のほうが良かった。


「…明日は何がなんでも依頼達成するぞっ!報酬がなきゃ今後の生活が危ういっ!」


「「「「「り、了解っ!」」」」」


…一段と気合いが入ったようだった。


クルヤさんはというと、


「…すいません、父が勝手に選んでしまって…」


「い、いやいや大丈夫だっ!…なっ!バルトっ」


「ぅえ?…あ、あぁ、はい……多分」


「父にはしっかり言っておきますので…もしかしたらいくらか減らせるかもしれませんし」


「だ、大丈夫ですって…一泊するわけじゃないので」


…そして何よりあの冷酷すぎる親子喧嘩は回避したい、たとえ俺に関係なかったとしても。


「…わかりました。一応話はつけてみますが、期待はされないでください…」


「…あ…あの」


「失礼いたします」


…行っちゃった。


「…まぁいいだろうっ!それより鍵をくれるかっ!」


「は、はい…」


…そういえばガロンさんの声量も異常なんだった。ビビるのは仕方ないだろう。











人数から考えて、大部屋を二つ取ってしまうのが一番料金が安く済んだらしい。ガロンさんがささっと2グループに分けた。

…それにしても豪華だった。

天井の至るところにガラスの加工品が吊り下げられ、火の魔法により明るく照らされている。床には絨毯、扉や壁の木の材質も品質がいい。ガロンさんたちが歩いても十分なスペースが余るため、廊下もなかなかの広さだ。二階建てになっており、廊下が長いので部屋数はかなりのものだ…何人くらいが泊まっているんだろうな。


ガロンさんは当然の如く俺と同じ部屋に入ってきて、他の団員から文句が聞こえてきた…誰と居たって同じだろ。部屋なんか。


ベッドは六つ…団員の数よりも少ないのは仕方ないけど、ソファーなんかもある。
…待てよ、ソファーで寝れるの俺だけじゃないか。きっとガロンさんとかが寝っ転がったら…壊れるかもしれない。

…弁償は避けたいし、連絡したほうがいいな。




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