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小説-doll-
銃声
少女が叫んだ後に紫苑は少女を抱きしめていた。
「なっ…離せっ!!」
少女が騒ぐがおかまいなしに抱きしめ続け、
口を動かす。
「寂しい……そんなの寂しいよっ…!」
紫苑の瞳からは涙が流れた。
「さび…し…ぃ…?」
少女が震える声で繰り返す、
「寂し…い……さ…びし……ふっ…う」
ナイが二人遠眼に店から出ようとした、
紫苑は少女を優しく撫でた。
「君の名前…なんていうの?」
少女がゆっくり口を動かす
「………エル…ザ…」
(エルザ…エルザか)紫苑が頭の中で繰り返す、
しかし、次の瞬間ー…

「アッー…!」
妃影の声が聞こえ振り返ると、
彰が妃影を拳銃で撃ち抜いていた。

「ア…キラ…?」
紫苑が信じられないという眼をすると彰は穏やかに微笑んだ。
「なに?紫苑、何か変な事したかな?俺。」
彰がゆっくりと近づいてくる。
紫苑は一歩も動けなかった。
「くっ…体が…!」
焦り始める紫苑、
(殺される殺される!)
エルザが構えた次の瞬間、

ズガァッ!!

ナイの鉄パイプが飛んできた。
軽く飛んで避けた明
「ムキにならないでよマフィアのリーダーさん♪」
「うるせぇ!!」
エルザが立ち上がり、紫苑の手を引いた。

「紫苑…?」
紫苑が立ち上がらない。
「な…で…彰が…」
「紫苑……」
「何で彰がっ!!!」
叫んでもどうしようもない気持ちの紫苑。

顔を上げると妃影の死体が目に入った。
「っー!うっ…」吐き気がする
(もう…どうでもいい)
紫苑が近くの拳銃を手に取り、
自分の頭に突きつける。
(俺が死ねばいいんだろ…)
エルザが気づくのが遅かった。
紫苑は引き金を引いたー…。

ズガァンー…

紫苑が目を開けると視界いっぱいに「黒」
黒色が動いた瞬間
紫苑の手にはベッタリ血が付いていた。

「俺…何で…死んで?」
「ばかが……」
声が聞こえた方に視線を向ける、
そこには黒。
「ナイ…」
ナイに触れた瞬間、血がたくさん付いた。
「ナイ…まさか…」
ナイが頭からたくさんの血を流していた。

「ナイッ!!?」
「うる…せ…なぁ……っ!」
「……」エルザも近づいてくる。
「あぁっ!ナイ死ぬなっお願いだ…死なないでくれ!!」
涙を流しながらナイを抱え起こす、
「自分で撃っといて…死ぬなかよっ……」
ナイが低く笑う、でも血は止まらない。
「エル…ざぁ…俺っおれ!」
紫苑が泣きじゃくる、
「紫苑…泣かないでっ…」

彰が近寄ってきた、
「もう無理何じゃない?リーダーさん」
軽々しくナイの顔をのぞき込む。

「…来るなっ!」エルザが剣を振ると
一歩下がる彰。
「え〜る〜ざぁ?誰に向かって剣を向けている」
彰が睨むとエルザがビクッとしたまま動かない。
「エルザどうしー…バァン!
紫苑が言い切る前にナイが彰に向かって拳銃の引き金を引いた。
だが、それすらヒラリと避ける。
「くそっ…」ナイが倒れ崩れた。
「ナイっ!」ナイを覆い隠すように抱きつく紫苑。
エルザは震えて動かない…
彰が怪しく笑いながら寄ってくる。
(もうダメだっ!)紫苑がそう思った時…。

バンッバァンッ

また拳銃の音がして目を開けると、そこには二人の男が立っていた。


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あきゅろす。
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