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風紀委員長さん!
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パァン!、と乾いた肉と肉のぶつかりあう音が体育館内に響き渡り、そこに居る全員が壇上に釘付けになっていた。
それというのも、男が放った拳は須藤蓮一の右掌に受け止められていたからだった。

いかにも真面目そうなその風貌、染めたにしては美しすぎる白髪、きっちりと着こなしている白い学生服、よく見ると切れ長で黄色い瞳の双眼。
しかしその学生服から出た首筋や受け止める掌は華奢ではなくしっかりとしている。
しかし幾度となく喧嘩の相場をかいくぐってきた不良に太刀打ち出来る者とは到底思えない。
そんな奴が今、壇上で一人の男を見つめている。

暫しの沈黙の後、須藤蓮一がその手を軽く握り口を開いた。

「成る程、いい見せしめになるな」

男はその言葉に目を丸くするも刹那、ぐい、と腕を引っ張ると同時に足払いをしかけ男を転ばせてしまうと思いきやそのまま背中へ乗せ柔道の背負い投げのように床へ放った。

背中を強打する男。自分と同格、いやもしかしたら自分より大きいかもしれない相手をいとも簡単に、息を一つも乱さずに倒してしまった。須藤蓮一の様子からこの程度のことは余裕だと見える。あれでも手を抜いていたのだ。

その場で全員が気付いた。

この男、須藤蓮一は危険だ、と。

「...それともうひとつ。恋愛に関してだが自由で構わん。...が、性行為は同意の上でしか認めん。以上。」


こうして須藤率いる風紀委員の結成(?)が成されたのだった。

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