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風紀委員長さん!
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あれだけうるさかった体育館は嘘のように静まりかえり、壇上に居る男に視線を向けた。すると男はそれを見てフン、と鼻で笑うと

「新入生代表、須藤蓮一だ。何故私が代表か?それは私が入試試験でトップを勝ち取ったからだ。
全5教科総合計497点。貴様等には到底成し遂げられない所業だ。
入学初日からだらしなく制服を着崩し、挙句の果てにはクズ同士で耳障りなお喋りを披露する始末。
いいか?貴様等は人間のゴミだ、クズだ。
そんな貴様等を更生する為、今此処に風紀委員を設立することを宣言する。
風紀委員はこの白い学生服を身につけること。そして日々規則に背いた者の粛正、取り締まり等を心掛けーー」

そこまで言いかけたとき、ダン!と何者かが壇上に上がった。

「おーおー、須藤チャンだっけー?せっかくの楽しい楽しい入学式どーしてくれんのよ。君のせいで台無し。ん?わかるー?糞真面目君」

蓮一に徐々に近づき間延びした口調でそう述べると周囲からやっちまえ、だのくたばれ糞白髪等といった罵声が飛ぶ。...が。

「もし風紀委員に興味のある者が居たら私に申し出るように。...あぁ、此処の高校は生徒が生徒なら先生も先生だからな。奴等は頼りにならん。私の単独でこの委員会は形成させてもらう。」

あろうことか壇上に上がった不良男を無視し、先生にまで毒を吐いた。
それに不良男が黙っているはずもなく。

「死ねコラァ!!」

とさっきの間延びした口調とは打って変わり、須藤蓮一に殴りかかったのだった。

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あきゅろす。
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