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ハニーキャット
21
時は進みお昼休み。
約束通り2年生のクラスがある2階にいる。
しかし1年生の階とは違って何だか落ち着かない。

何だか2年生の人たちにチラチラ見られてる気もするし…。
1年生がいると目立つのかな?

居心地の悪さから猫田くんの後ろにピタッとくっつくと苦笑いを浮かべていたが、構わず目的のクラスに向かう。


「そういや貸してくれた奴の名前って何?」

「ハルさんっていうんだ」

「え、ハルって…」


歩きながら猫田くんの問いに嬉々として答えると驚きの後に訝しげな表情をした。

もしかしてハルさんのこと知ってる!?

それならなら話しは早いんじゃないかと確認の言葉をかけようとしたとき突然止まってしまい軽くぶつかってしまう。
何事かと猫田くんの顔を見ようと上を向けば『2―5』と書かれた札が目に入る。
もしや目的のクラスについたのかと口を開こうとしたとき…


「あれ、壬冬どうしたんだ?」


陰がかかり低い声が耳に届く。
声の方を向くと茶髪のかっこいい人が立っていた。


「あ、兄貴の弁当を」

「あーいつもご苦労だな」

「いえいえ」


茶髪のかっこいい人とちょっとぎこちないけど親しげに話す猫田くんから労いの言葉と共にお弁当を受け取っていた。

あれ、お弁当を…てことは茶髪さんは猫田くんのお兄さんなのかな。
でもお兄さんにしては猫田くん緊張してるような…。
これが普通の兄弟の感じなのかな?ボク一人っ子だからよく分からないや。

猫田くんの後ろでボクがチラチラと兄弟なのかと伺っていると不意にお兄さんと目が合う。
そして…


「その子は?」

「あぁ、俺のダチで蜜樹」

「あの、はじめまして!猫田くんにはいつもお世話になってます」


お兄さんの問いかけに猫田くんに肩を抱かれながら1歩前に出され、紹介に続き緊張しながら頭を軽く下げる。
するとお兄さんが数回瞬きをした後にニヤッと口角を上げていた。


「なんだ壬冬いっちょまえにお世話してんのか?」

「ちょっ…からかわないでっ」


お兄さんは声を弾ませながら少し高い猫田くんの頭を楽しげにかき回していた。
それに対して猫田くんは顔を真っ赤にしながら軽く抵抗している。

わーわー猫田くん照れてる!!
こんなに照れてる猫田くんはじめてだし何だか嬉しそう。
やっぱり兄弟だとこういうじゃれ合いするんだなぁ。


「いいなぁ猫田くんはお兄さんと仲良しで」

「え?」

「お兄さん…て!違う!!この人は兄貴じゃ…」


思わず声に出た言葉にキョトンとするお兄さんと慌てる猫田くんの声に被るように後ろから「おーい入り口でくっちゃっべってんじゃねぇよ…」と怒ったような声が聞こえる。
反射的に声の方へと振り向くとそこには…


「邪魔…て、あれ」

「ハルさん!!」


ボクの会いたかった人、そうハルさんが驚いた顔をして立っていた。
予期せぬ早めの再開に嬉しさとドキドキで胸が張り裂けそうッ…。

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