情報屋、やってます。
2
目線の先のマサリンは、タバコを持ってない方の手で口元を隠して、顔を赤く染めていた。
ええええええ。
「まさかセックスした!?」
「はあああああああ!!!??んなわけねぇじゃん!!!!」
「………………は?じゃあ何そんな赤くなってんの?」
マサリンはさっきより顔を赤くしてわたわたしていた。
控えめに言って気持ち悪い。
「き、……」
「うん」
「…言うぞ!?」
「うん」
「き、……」
「さっさと言えよ、うっとおしい」
「……キス、した」
「…………………」
きって言ってた時点で予想通りすぎる。
「……………で?」
「…………でって、何が?」
「キスして、それからどうしたの」
「え………なんもないけど」
「はぁ!?キスだけかよ!!」
どんだけうぶなんですか。
キスとか口と口くっつけるだけじゃん。
マサリンのことだからべろちゅーなんてできないだろうし。
「キスだけって!透哉とだぞ!?やばくね!?」
「あー、まぁ、よくさせてくれたね」
「…させてくれた?」
「合意でしょ?」
「あ、いや、不意打ち的な感じ」
「…………」
それ、嫌われたのでは。
メール返ってこないわけだ。
「なんで自分から嫌われにいくかなぁ…」
「っ俺だってそんなつもりなかったんだって!!」
犯罪者みたいな言い分だねぇ。
「でも透哉が俺のこと結構気に入ってるとか言うから…我慢できるわけねぇじゃん!?」
「………は???」
とーやくんが、マサリンに、そんなこと言ったの?
「ついに幻聴まで…」
「え、違う違う、ほんとに言ったから!」
とーやくん一体何考えてるんだ?
マサリンを腑抜けにさせるって魂胆か…?
もしそれが狙いなら、見事に成功してるけど。
「………ま、避けられてるかどうかは今日確かめてみたら」
「今日?」
「溜まり場来るって、メールきたよ」
「まじかよ!!」
マサリンはバッと立ち上がって、タバコをポイと捨てると、それを足で踏み潰した。
「タバコ吸っちまったどーしよ!」
「は?」
「透哉タバコ嫌いなんだって!」
「はぁ」
最近どこまでもとーやくん中心に世界が回ってるなぁ。
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