情報屋、やってます。 4 ま、とりあえず、L●NEは却下やな。 飲み物をそれぞれに配りつつ口を開く。 「メアドならええよー」 「まじで!?」 アイスティーを一口飲んで、ポッケから黒い携帯を取り出す。 「airdropでええやろ?」 「ああ!どーやるんだ?」 「はぁあ?何で知らんねんアホ。ちょい貸してみ」 「ん」 もういちいち顔赤くせんといて。 恋する乙女かいな。 …ははっ、ないわー! 預かった携帯を操作して、メアドやら電話番号やらを交換する。 情報は多いなら多い方がええからな。 「ほい、できたで」 携帯をエアークラッシャーに返却する。 「サンキュっ」 雰囲気無駄にフワフワしてる! いっつもこんな感じなんか。 噂に聞いてたのと違うねんけど。 「…ふぅん、ここは金とらないんだ」 櫻井弘人が頬杖をつきながら呟く。 「俺は情報の対価として金もろてんねんで。今のはそっちからも情報もろたから、とんとんやん」 「そういうもんー?」 「おぅ」 「なぁ、メールしていいか?」 ほんまエアークラッシャー空気読めや。 お前こっちの会話聞こえてへんのか。 なんでそう脈絡のない話ぶちこんでこれんねん。 「別に好きにしぃ。メアド交換した意味考えろや」 「…うん」 きっっっっも!! あかん、これはあかん。 もう一種のホラーやで。 夢に出てくるレベルや。 何や『…うん』て!! ありえへん!! ほんま乙女ちゃうの、こいつ!! …いや、こんなごっつい男が乙女とか笑えへん。 ぴろろん。 ん?メールや。誰からやろ… 「って、お前かぁぁぁい!」 「え?だってメールしていいって…」 「ああ、確かに言うたよ!言うたけどな…誰も今送ってくる思わへんやろが!!」 さすがエアークラッシャーなだけある。 一般人には思いつけへんことしよるわ。 「しかも!空メとか!!喧嘩売ってるんか!?」 「ご…ごめん」 なんでこのタイミングではにかむねーん!! おかしい、こいつおかしい。 「なかなかやるな、"dog"の総長…」 いろんな意味で要注意人物や。 「ありがとう…」 別に誉めてへんねん。 そして顔が赤いのは、もう標準装備なんやな。 常にどんな時も赤いんやろ? そうやんな? 頼むからそうであってくれ。 なんや…俺に恋してるんちゃうかて変な勘違いしそうになんねん。 …こっわ。 ないないないない。 そんなこと絶対ない。 自意識過剰やで、俺。 [*前へ][次へ#] [戻る] |