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情報屋、やってます。
3
「君、チーム入ってるの?」
「ハン、どうやと思う?」
「…何この子」
櫻井弘人はくっと眉を寄せた。
ふふん、さっきのきんもい笑顔に比べたら、本音丸出しのそっちの顔のが幾分マシや。
そして相変わらず俺のことガン見やな、相田正行。

「ま…そこまでわかってて敬語使ってこないあたり、余計生意気だよね」

「はあ?敬語て相手を敬う言葉のことやで?なんでこれっぽっちも尊敬してへん相手に対して使わなあかんねん」

「…ねぇ、いい加減怒っていい?」

「キレられる筋合いはないやろ。俺が生意気なのは認めるけどな、あんたはどうやねん。年一個だけ上やから、"dog"の副やってるから偉いんか。他人のこと生意気生意気言うてキレる前に、まず鏡見てこいや」

「……マサリン、もう帰ろう。俺この子無理」

「ふはっ!ほんまにマサリン呼ばれてんのや!」
いや、噂には聞いてたけど、まさかなぁ。

「もう、うるさいなぁ君!マサリン、帰ろうってば!」
まだ飲み物来てへんでー。


「――名前…」


「え?」
「名前、なんていうんだ?」
今聞くんか。櫻井弘人をガン無視して今聞くんか。
そしてなんでそれを顔赤くして言うねん。


「名前なぁ…。500円」


「は?」

「500円で教えたる」

「うっわ、何それ。名前聞かれて金取るやつ初めて見たんだけど。……マサリン何黙って500円出してんのバカ」

「へぇ、話わかるやないか。毎度あり」

相田正行が差し出してきた500円をありがたくいただく。
手が触れあった瞬間相田正行の顔がさらに赤くなったのは気付けへんかったことにしよ。

「――水崎透哉、やで」
自分の名前を口にする。

「とうや…」
「水崎透哉って、まさか…"関西弁の情報屋"?」
「そ。気づくの遅いねん」

櫻井弘人の顔に、バカにしたような笑みが浮かぶ。

と同時に飲み物到着。

「お待たせし、」
「噂に聞いてたとおり、性格最低だねぇ…」

「あっは、そらどーも。あ、お姉さんありがとう。そのへん置いといて」

「褒めてないし…」

「知ってる」

「………」

はいはい、顔すごいことになってますよー。


「――L●NE交換してくれないか」


…もう何やねんこのとてつもなく空気読まれへん男は。
相田正行のことこれからエアークラッシャーて呼ぼか。


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