情報屋、やってます。
2
プカプカ浮かべていたレモンをスプーンでカップから出す。
「で、どないな用?」
「ぅー…と…」
顔真っ赤やなー。
何言うつもりなんやろ。
そんな恥ずかしいことなんか?
恥ずかしいことって…あ、もしかしたらAV見ようてお誘いか。
AV初挑戦しよ思ったはいいものの、一人で見る勇気ないとかちゃう?
櫻井弘人には恥ずかしくて言えんから、あんま付き合い深くない俺にしとこてとこか。
そーかそーか、それでそんな顔真っ赤なんや。
ふーん。
でも俺その誘いには乗れへんな。
AV見る暇あるなら情報収集してたい感じやから。
残念やけど力にはなれへん。
てかタバコくっさ。
「お、俺、お前が、す、好きなんだ!」
「無理ですー」
なんやここ喫煙席と変わらへんやん。
ちゃんと隔離しとけや。
ほんまくっさい、…ん?
なんか、AVの話考えてたら即答してしもたけど…もっとすごいこと、言っ、
「ぅえええ!?」
「なんでサラッと振っといてからそんな驚いてんだよぉ…」
「いや、AVかと思ててん…」
「は?AV?」
「こっちの話。なに、あんた…俺が好きて言うた?」
「う、おぅ…」
「あー…ちょい待って、」
男の相田正行が、男の俺を好き。
………。
「はい無理ー」
「結局…!!」
「俺男同士でいちゃつく趣味ないねん」
「お、俺もっ…お前に会うまでは、全然そんなのなくて…」
いや、俺は現在進行形でないんやて。
「今までもな、綺麗だなぁとか思う人はたくさんいたんだけど…どうしても、"綺麗"だから"好き"っていう風にはならなかったんだ…」
まぁ、そんなん人を見た目だけで判断してるようなもんやから、逆にええんちゃう。
内面見てから好きになるんが人間として正しい気ぃする。
いや、正しい人間ちゃう俺が語るのも何やけど。
「でも、お前見た瞬間…綺麗だと思っ
た次に、だ、抱きたいって…思って…」
おい、おいおいおい。
「すっとばしすぎやろボケ!なんで好きの前に抱きたいがくんねん!順序おかしない!?」
「お、おまっ、そんなデカイ声で抱きたいとか言うなよぉぉ!!」
「あんたの声がいっちゃんデカイわ!!」
俺が言うと、アホの子相田はハッと目を見開き、顔が見えないほどに俯いた。
無意識か。無意識やったんか。
「あっほやなぁ…」
「言うな…」
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