風の中
2
…ー会長sideー…
北原を強姦していた奴らの学生証をひとつずつ確認する。
こいつら強姦の常習犯じゃねぇか。
確か一ヶ月くらい前にも、謹慎処分になってたはず。
反省も何もあったもんじゃない。
ちなみに今、そいつらは教室の黒板の前に一列に正座させられている。
もちろん俺がさせた。
さすがのこいつらも、生徒会長の俺を襲おうとするほどバカではないらしい。
そのうちの二人は、タンクトップ姿。
Yシャツは北原の体を拭くのに使わせてもらった。
北原は、俺が助けに入った時はまだ意識があったみたいだが、こいつらの対応をしている内に気を失っていた。
今もまだ目は覚ましていない。
北原の服はさほど汚れていなかったので、そのまま着せておいた。
それにしても…まさか北原が強姦されるとは思いもしなかった。
しかも6人相手とか…かなりキツいだろ。精神的にも、肉体的にも。
大丈夫か、こいつ。
立ち直れっかなぁ…。
長谷川が、なんとかするだろうか。
床に寝かせてある北原の髪をわしゃわしゃする。
もっと早く書類を整理し終えていたら、こいつの負担はもう少し少なくなっていたのかもしれない。
……ごめんな。
ガラッと勢いよくドアが開く。
長谷川が、立っていた。
「きたはら……」
俺なんか眼中にないかのように、北原だけを目指して、長谷川が近づいてくる。
北原の横にストンと膝を落とした長谷川は、横たわった北原をゆっくりと抱き寄せた。
やつの肩が小刻みに震えているのが目に入って、見ていられずに視線を逸らした。
長谷川は、他の委員がテキパキと動いている間も、ずっと北原を抱きしめていた。
錯綜する思いの中で
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