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風の中
2
「てか、この際だから聞くが…お前、北原のこと好きなんだよな。恋愛的な意味で」

「っは!?」

もしや、当たりか。

北原が長谷川のことを恋愛感情で好きなのは見てればわかる。
が、この際それは置いておこう。

そうか、長谷川もやっぱ好きだったんだな。

………。

「お前、北原が他の委員に童貞だのなんだのからかわれてる時に、すげぇ嬉しそうな顔してたぞ」

「なっ、んで、見てんだよ!!」

いや、実は見てなかったけど。

「別にいいじゃねーか」

北原関係になるとおもしろいな、こいつ。

「北原と委員が下半身事情話してるとお前手ぇ止めて聞き耳立ててるし」

「うっせぇからお前!」

これも当たりか。びっくりだ。

「告白はしねぇのか?」

「するわけねぇだろ!」

「……なんで?」

確実OK出してくれると思うが。

「委員と付き合うとか、ダメだろ、贔屓だ」

「……また出た、真面目病」

別になぁ、贔屓でも問題ねぇんじゃねーかなぁ。

「お前と北原が付き合ったとして、委員の中で不快に思うやつはいねぇぞ。みんな納得だろ」

「……何を根拠に」

「委員の中じゃ、北原が一番お前を慕ってるし、お前に尽くしてる。一番可愛がられて当然だろ。それに、あの健気にお前追いかけてく感じがな、みんなの同情誘ってんだよ」
「……いや、でも…それ以前に問題があると思う」
「は?」

「北原は、俺のこと、兄貴的な感じで慕ってるから……恋愛には、持ってけねぇよ」

「お前……」

……バカだな。

なんであれが恋愛感情だと気づかない。
北原は上手く隠しているつもりらしいが、正直だだ洩れじゃねぇか。
誰が見たってわかるからな?
あれは、尊敬の眼差しじゃない。

けど、まぁ…俺が言うことでもねーしなぁ。

「せいぜい頑張れよ」

「バカにしてんのか」












こういう時ってもどかしい



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