理解不能
3
「「できたぁぁぁあ!!」」
うっわ、ほぼ同時か!
てかまたハモったキモい。
「おい、っやまと!どっち先!?」
「全く同時」
「いや、クソ電気のがっ、遅かった!」
「それ、は、ない!」
「つーかお前ら息切れすぎー!めっちゃおもしろいんだけど!」
「しゃーねぇじゃん…」
まじで本気だったからね。
グダッとイスに凭れかかってちょっと息を整える。
ふー、疲れたぁ。
Tシャツをパタパタ扇ぐ。
あっちー…。
「雷斗エロいよー!」
「意味わかんねぇよこいつもうヤダ!」
「ほらほら、雷斗がエロいせいで閑バターどころじゃなくなってるっ」
「はぁあ?」
バカ瀬は、なんか…片手で目を覆って…うーん?何してんだこいつ。
「バカ瀬何やってんの?」
「うっせぇ黙れバーカ死ね俺の勝ちだから!ってかこっち見んなアーホ!」
「なんだこの暴言の数々!」
「やっぱ雷斗のせいだってー」
「何でそうなる!」
「このさぁ、微妙に汗ばんだ感じがめっちゃエロいのよ」
「こんぐらいでエロ言う意味がわからん。バカ瀬だって汗かいてんじゃん」
「まぁそうなんだけどぉ」
何なんだよ一体。
「つーかそれより、やまとはまだバターできないの?」
「んー、そろそろできたかなぁ」
「じゃあ、さっさとクラッカー食べようぜ。早く肉食いたい」
「ほいほい」
パカッと蓋を開けてみると、バターっぽいものがゴロッとあった。
いや、バターなんだけどね。
クラッカーを2枚とって、バターをつけて口に入れる。
「ん、意外にうまい」
「雷斗って結構ガッツリ行くね。普通1枚ずついかない?」
「女子かよ」
ちまちま食べるのは嫌いだ。
なんか食べたって感じがしない。
「だって一人4枚だよ?2回で終わっちゃうじゃん」
「別にいいよ」
「理解できねーぇ」
「同じく」
てかバカ瀬全然しゃべんねぇな。
バスの中も、やまとが話しかけなきゃしゃべらなかったし。
スッと視線を横に逸らすと、バカ瀬は黙々とクラッカーを1枚ずつ食ってた。
なぁ、お前そんなんで楽しいの?
「バカ瀬意外に女々しい」
「あ"?」
「お前なら4枚くらい同時にいけそうじゃん」
「てめぇみたいにそんな乱雑なことしねぇよバーカ」
「乱雑じゃねぇし」
こうやって悪態ついてる方が生き生きしてるってどういうこと。
「ら、いと…」
「ん?どしたよ、やまと」
…何その感極まった顔。
「お、お前からそんな気のきいたことを閑にしてやるなんて…お母さん嬉しいわ!」
「誰が母さんだ!」
いやいや待て、そこじゃないだろ俺。
つい癖でツッコんじまった。
「気のきいたことって何」
「閑寂しそうだったから話しかけてやったんだろ?もう雷斗ったら!」
「……」
「寂しくねぇよ!」
「閑はお黙りっ」
「別に寂しそうだったからじゃねぇし…」
「え、違うの?」
「なんか、もー…俺もよくわかんねぇよ…」
気づいたら声かけてた。
声かけたっつーよりはケンカ売ったって感じだけど。
「閑…これは脈ありかもしれないぞ」
「バッ、バッ、はっ!?何言ってんのありえねぇから!!気持ち悪ぃこと、んなっ、バーカ!!」
「取り合えず落ち着け閑!」
「バカ瀬意味不明…」
「てめぇのせいだろうがよぉぉぉお!!ざけんなマジで!!」
「ほんっと意味不明すぎるわ!!俺なんもしてねぇだろ!!」
あと一歩…いや、100歩ぐらいかな
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!