理解不能
2
ベッドに近寄ってみたら、俺のジャージに着替え終わったクソ電気がやっぱ倒れてた。
殴られた顔がやけに痛々しい。
え、どうすりゃいいの、これ。
「おい」
「…………」
「おいってば」
「…………」
「…………」
ベッドで倒れるとか、誘ってんのかこいつ。
つーか、男相手に俺はなんでムラッときちゃってんだ。
ありえねぇ、マジでなんなの。
……ああ、なんか、認めざるをえない状況な気がする。
俺はたぶん、こいつのこと、好きだと思う。
しかも思いっきり性的な目で見てる。
別に男が好きなわけじゃなくて、実際男でムラッときたのもクソ電気だけ。
ずっと誤魔化し続けてきたけど、いい
加減限界だろ。
好きだよ、好き。
クソ電気が、――雷斗が、好き。
ってことは、この状況は、まずくないか?
いや、これ据え膳?
食わなきゃ恥?
つーか、
「………えろ…」
喉がゴクリと鳴った。
もうこれは耐えろって方が無理。
倒れてるってことは、意識ないんだよな。
つまり、多少何かしても気づかれない、と。
うん、大丈夫だ。
ちょっと触るくらいだったら問題ないはず。
クソ電気、…雷斗が着てる俺のジャージのチャックは開いたままで、その下にはTシャツしか着てないらしい。
寒そう、あとでスウェットでも着させてやろう。
…あとで、いいよな。
Tシャツをそっと捲りあげると、少し汗ばんだ雷斗の肌が覗く。
肌あっついな。
……あー、もう……。
首筋に顔を近づける。
やっぱいい匂いする、こいつ。
首筋をそのまま軽く噛むと、雷斗の体がピクッと震えた。
……起きては、ないな。
よし、大丈夫。
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