理解不能
バターだってさ 1
「忘れ物ないように降りろよー」
桑田センセーが一番前の席で立ちながら言う。
あーやっと着いた。
変な姿勢で寝てたら首凝った最悪。
「寝顔もそそったよ雷斗」
「いい加減キモいから」
今のはマジで鳥肌たった。
これからこいつの前で寝るの止めよう。
なんか怖い。
「冷たいー!せっかくテンションあげあげ作戦成功したのに!寝起きだから余計テンション低くなってるー!」
「ドンマイ」
「他人事っ」
バスを降りてみんなでぞろぞろとバーベキューするとこに向かう。
「BBQだよBBQだよBBQだよ楽しみぃ!」
「肉ー…」
「そのテンションで言わないで!」
「…肉ー!」
「無理に頑張った感出さないで!」
「もー眠いんだよー」
できればもう一眠りしたかった。
「バスん中ずっと寝てたのに!ねぇ閑、雷斗寝過ぎじゃね?」
「そのまま目覚めなければよかったのにな」
「あ?そりゃあ残念だったなクソが」
「もぉ何で口開くと悪態しか出てこないんだよぉぉ…」
なんかどーでもいいことでテンション落ちてるやまとを何とかするために、取り敢えず目の前に見えたものでつってみる。
「ほら、やまと。肉が見えてきたぞ」
「んぉ!肉肉!!」
かなり肉が旨そうに見えたのか、やまとはいきなりダッシュ。
「おい、やまと!」
「早く行くぞー!雷斗、閑!」
「俺もかよ…」
高校にもなって全力ダッシュとかハズい。
「うっひゃあ、肉がたくさん!」
やまとはテーブルの上に置かれた肉を見て大分嬉しそうに言った。
「おぉ、結構多いじゃん」
「よっしゃー!食べまくるぜ!」
「おい、そこ三人!つまみ食いするなよー!」
桑田センセーが、生徒たちと一緒にこちらに歩いてきながら見当違いなことを言ってくる。
「桑田っちバカだなぁ!生の肉なんてつまみ食いしねーよ!」
今回ばかりはもっともな意見だな、やまと。
「先生に向かってバカ言うんじゃない!」
「ごめんっちゃいっ」
「キモい」
「あうちっ」
「ほらほら、とりあえずテキトーにテーブル選んで席につけ」
桑田センセーに続いてきた人たちも席につき始める。
「俺らも座るかー」
やまとはちゃっかり鉄板の近くのテーブルをとった。
まぁ、その方が便利だよね。
不服なのが席だ、席。
三人でテーブルを囲むとなると、どうしてもバカ瀬と隣になる。
最悪。
とか言っててもしょうがないか。
諦めて座ろ。
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