[携帯モード] [URL送信]

理解不能
ホームルームデイは略すとHRDらしい
やってきました、HRD。

ひたすら揺られるバスの中。

ただ今俺のテンションは地面スレスレを低空飛行しております。

「雷斗ぉ、楽しみだなぁバーベキューぅ!」

やまとのテンションは俺なんかの遥か上空を優雅に飛行している模様。

「牧場でやるんだろぉ?自由時間ソフトクリーム食べような!絶対上手いよ、牧場のソフトクリーム!」
「はいはい、そーですね」
「ほらほらテンション上げてこーぜ!」
「おー」
「やる気のなさが全面に伝わってくるっ」

しょーがないじゃん。
誰かさんがバカ瀬と一緒の班にしちゃうから。

「なぁ閑ー、見ろよこのローテンションな雷斗くんを」
やまとが俺の真後ろに一人で座ってるバカ瀬に話しかける。

「クソ電気なんか見たくもねぇ」
「俺だってお前なんかに見られたくねぇから」

「あーもう、何ですぐにケンカが始まるんだお前ら。ある意味すごいぞ」

「うるさいなぁ…」
ふっとため息をついて目を閉じる。

「雷斗くん、そんな顔すんなよー、襲われるよっ」
「意味わかんねぇし」
襲われるって誰に。

「なんかねぇ、雷斗って無性にキスしたくなる顔してんだよね」

「は」

「ねぇ一回俺とシてみなぁい?」

「うっわうわうわうわ!まさかのゲイかお前!ちょ、誰か席代わってくんない!?」
襲われるってそっちの意味かよ!
「いやーん、ひどいー」
「抱きつくなバカ!」

通路はさんだ隣の席の奴がこっちを見てくる。
「おっ、羽山が襲われてるー」
なんでそんな楽しそうに言ってんの!?

おいおい女子も何そんなキラキラした目でこっちを見…
「もっとやっちゃえ堤っ」
なんか聞こえた気がした!

「んふふ、雷斗いい匂いする」
「変態ぃぃぃぃ!」

…まぁ、ふざけてるだけだからいいんだけどね。

やまとはニっと笑った。
「テンションあげあげ作戦大成功ー」

「あー、まんまと引っ掛かったわ」

「雷斗のそういうところも大好きよっ」
「いい加減役から抜けなさい」
「えー、いいじゃーん」

やまとはわざとらしく口を尖らせて俺から離れる。

「お…?」
その途中、やまとの視線は俺の後ろの席にいるやつに向いた。

「ぶっ、あはははははは!!」
何を目撃してしまったのか、やまとはいきなり大爆笑。

何こいつ怖い。

「どうした、やまと」
「ぶはっ、らい、雷斗おっ、あははははは!!」
「お前頭大丈夫!?どっかネジ飛んだだろ」

「ひーぃっあはははっ大丈夫ぅっふふふふっ!」
「もう末期だこいつ!」

「あー、おもしろっ!ははははっ」

ようやくテンションが平常運転に戻ったらしいやまとは、俺の後ろの席にいるやつに何か言いたいらしく、後ろを向いて席から身を乗り出した。

「しーずかっ、耳貸してー」
「んだよ…」

しばらくやまとがボソボソ何かを耳打ちしていたと思ったら、急に椅子に結構な衝撃がきた。

「うっぉ、ビビったぁ」
くそ、バカ瀬のやつ蹴りやがったな…。

「おい、バカ瀬おまえ――」
「違うからな!!?おい堤原誤解してんじゃねぇよぉぉぉ!!ああああウゼェ!!うぜぇうぜぇうぜぇうぜぇ!!クソ電気バカうぜぇぇぇぇえ!!」

何でいきなり罵倒浴びせられなきゃいけねぇんだよ!!

「意味わかんねぇバカ瀬!お前の方がうぜぇから!!」

「うっせぇ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ」
「だからお前の方がうるせぇよ!!」

「図星でしたか閑ちゃーん」

「誤解すんなっつっただろぉぉお!!」

「やまとお前何言った!」
「んふ、ヒ・ミ・ツ」
「きんもっ」

マジで何言いやがったしこいつ!












「顔真っ赤だよ〜ん。いやらしい妄想でもしちゃった?」でした



[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!