哀色
神様なんて
文化祭はかなり忙しかった。
トラブルが絶えず、一日中その処理に追われてた。
文化祭の前も、忙しかっただろう。
生徒会のみんなに本当に申し訳なくなった。
だけど、俺の一番は優だから、どうか今だけは許してほしいと言った。
みんな納得してくれたことに、とても安心した。
取り合えずこの日だけは、生徒会の仕事をきっちりこなそうと、ひたすら働いた。
だから、今閉幕セレモニーが終わって、ようやく携帯がチェックできた。
留守番電話が一件入っていた。
優のお兄さんからだった。
留守番センターに繋いで、携帯を耳に当てる。
『もしもし、優の兄です。今、優の容態がかなり悪いらしくて…できるだけ早く来た方がいいかもしれない。そっちに車向かわせたから、来る時はそれ使って』
全身から、嫌な汗が噴き出した。
急いで確認すると、留守電の入った時間は4時間ほど前だった。
まだ、わからない。
なんとか助かったかもしれない。
校門に向かいながら、携帯のリダイヤルを押す。
電話はすぐに繋がった。
俺が優はどうなったか聞くと、優のお兄さんは暫く黙った後、ようやく口を開いた。
『少し、気持ちの整理付けてから来た方がいい』
ああ、優は、死んだんだ。
俺は神様に嫌われたのか、それとも神様なんて初めから存在しないのか
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