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哀色
分岐点
それから俺は、学校を休んで優の傍にいることにした。

その許可をもらいに学校へ戻って、会長にも全て話した。
当然のように俺は殴られた。
逆に、殴ってもらえてよかったかもしれない。
じゃなきゃ俺は、余計にキツかった。



会長が優のことを、後輩として好きだったのか恋愛対象として好きだったのかはわからない。
でも、相当可愛がっていたのは、わかる。


あんなにキレた会長は初めて見た。
会長には、かなり罵倒を浴びせられた。

なんであの時様子を見に行かなかったとか、優はずっと独りで病気を抱えてたのにお前は何やってたんだとか、色々。

一言も、言い返せなかった。

俺が黙ったままでいると、会長は舌打ちをして、また俺を殴った。

そして最後に、優のことどう思っているかを聞かれた。
だから、これだけは必死に答えた。

俺の思いを聞いた会長は、だったら最後の最後まで尽くせと、そう言って生徒会室を出ていった。







優は、なかなか目を覚まさなかった。
でも、ひたすら待つしかなかった。
俺にできることは、もうそれしかなかった。






会長から電話があったのは、学校を休み始めてから5日ほど経ったころ。
文化祭は絶対人手が足りなくなるから、1日だけ来てくれと言われた。
その時初めて、文化祭の存在を思い出した。
ずっと生徒会の仕事を放棄していたんだから、文化祭くらいは手伝わないとまずいと思った。


だから俺は、その1日だけ、優の傍を離れた。



















そこが分岐点だったとも気づかずに



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