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逆転のち逆転
【T】もしかして夢?(1)
ああ、やってしまった。

昨日の俺を殴りたい。

バカなのか?バカだろ。

なぜ抱いた。

だって、もう、引かれること間違いなしじゃん。
絶対避けられるじゃん。
キモいとか言われたらほんと俺立ち直れねぇよ。

なんのために今まで我慢してきたと思ってる?
わざわざ似たやつを探してまで秋一に手を出さないようにしてたのに。

そんな簡単に諦められるわけねぇだろ。
ほんと自分で自分が何考えてんだか、わけがわからない。

絶望的だ。

秋一、さよなら。


「こんにちは」


「こんにちはー、って、」

待て待て待て!

何お前普通に挨拶してんの秋一!!

部室に入った瞬間にかけられた挨拶に、俺はピシリと固まった。

「どうかしましたか」

どうかしましたかじゃねぇよすげぇどうかしてるよお前の頭!

なんで?なんでそんな普通なの?

もしかして昨日のアレは夢だったのか?

いやそんなわけはない、だって、今まで見た夢の中であんなにキョドりながらヤられてる秋一はいなかった。
いつもどんな夢見てるんだとかはスルーの方向でお願いします。

あ、待てよ、これって秋一が気を遣ってくれてるんじゃないか?

何もなかったことにして、これまで通りの関係を続けましょうって暗に示してるに違いない。

そうか、なるほど…。

俺としても、とことん避けられるよりは、いっそ全て水に流してもらった方がありがたい。

なんて空気読めるやつなんだ。
見直した、超見直した。
むしろ惚れ直した。

やっぱお前は最高だ、秋一!

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あきゅろす。
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