ぬら孫シリーズ
ページ:1
「リクオ様ぁ〜!そんな事、私がしますからぁ〜!!」
僕、奴良リクオは、学校帰りに家で必要だという食材を近くのスーパーに買いに来ていた。
そして、僕の後ろで叫んでいる黒く長いきれいな髪をなびかせて、夏だというのにマフラーをしている少女は雪女――つららだ。
つららは僕の護衛だとか言って、毎日学校へ行く時と帰りは一緒に帰っている。
そこで、今日はバーベキューになったらしく、それで材料を買いに来たのである。
母さんが…、能天気だから…。
「いいって。どうせ一緒に帰るんだからっ。」
「っ、…ですがリクオ様にそんなことさせられませんっ!!だから、その手を離してくださいぃ!」
涙目で、僕の持っている籠を取ってこようとするつらら。
面白くて、にやけてしまう。
つららの料理はいつもおいしいけれど、冷たい。
雪女だから、冷たいものしか作れないんだ。
夏にはちょうどいいかもしれないけど。
「まぁ、まぁ。で?あと、何がいるの?」
「え〜っとですね、あとお肉と飲み物と…。」
結局つららは僕に乗せられていた。
そしてもう一度僕等は歩きだした。
「分かった。じゃあ、飲み物から買おうか。」
「はいっ♪」
つららは、そのまま僕の後ろについてきた。
しかも、ご機嫌に…。
僕は、適当に1.5リットルのペットボトルを3本かごに入れた。
ふと後ろを見てみると、僕の後ろには誰もいなかった。
周りを見渡すと、アイス売り場でアイスを見入ってるつららがいた。
「うぅ〜、どのアイスがいいのでしょうか。どうしましょう。悩みますねぇ〜。う〜ん。」
ちょっと、つらら…。
…ま、いっか…。
「ちょっと、つらら。僕、お肉売り場に行ってくるからね。」
「はい!リクオ様!」
そう元気につららは返事をした。
僕の方を一度も見ずに目をキラキラ輝かせて…。
あはは。
僕はそのまま、重たい籠を持ってお肉売り場に行った。
「え〜っと…。これくらい買っておけば足りるか…。」
適当に肉を入れて、つららの所に戻ろうとしたその時だった…。
「リクオ君!?どうしたの?こんなところで!」
そこには、セミロングで目の大きくつららと同じ制服を着た、幼馴染のカナちゃんが…。
「えっ!?奴良くんだって?あっ…何をやってるんだい?こんなところで。」
カナちゃんの隣から、同じ学校の清継君に巻さん、鳥居さん、島君が顔を出した。
つまり清十字団の人間がこのスーパーに集まってしまったということだ…。
[次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!