ace of diamond 「ばーか」 (倉亮) 「倉持」 部活が終わった直後に、後ろから声をかけられた。この声は、いつも側で聞いている・・・。 「亮さん!!」 振り返ると同時に倉持は言った。やはりそこに立っていたのは亮介さんだった。亮介さんから声をかけられる事は滅多になく、なんだかわくわくする。 「倉持。ティーバッティングしよ。」 亮介さんの言葉で、倉持は驚かずにはいられなかった。 「クス。何、その驚きの顔は?」 「いえ、ちょっと意外だったモンで・・・。」 「ふーん。倉持がダメなら、春市でも誘ってやろうかな。」 うわぁ、ひどい。っと心の中で倉持は叫んだ。 亮さんわざと言っているに違いない。腹黒いなぁ。 「嫌っスよ。おれとやりましょう、ティーバッティング。」 亮介は、倉持の前に背を向けながら、夕陽に向かって歩き出した。そして、振り返って・・・。 「ばぁか。始めからお前とやると決めてたんだよ」 [*前へ][次へ#] [戻る] |