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ace of diamond
クリスマスっておいしいの?

季節は12月。
はく息が白くなるそんな寒い冬。
世間はクリスマス、クリスマスと騒ぐ季節となった。


亮介は倉持と沢村の部屋にいて、倉持のベットでぬくぬくと温まっていた。
今は沢村が居なく、ベットの横に倉持が座っている。

引退した3年生達は基本、後輩の部屋にいったりとかしない。
行きづらいか行きたくないのかそこら辺ははっきりしないのだが、そんな曖昧な感じで純とかが言っているのを亮介は聞いていた。
だが、亮介はそんな事を思ったりしないので、時々後輩たちの部屋へ行ってからかってくる。もちろん倉持の所に行くのが断然多いのだが。

「はぁ」

ふと突然亮介がため息をついたのに倉持は気づいた。

「亮さん、ため息なんかついてどうしたんスか?」

布団からひょんと顔を出した亮介が言う。

「ねぇ、俺らみたいな高校生が、クリスマスを楽しむもんだと思う?」

唐突に始まる亮介の質問。その質問の意図が分からず、しどろもどろに倉持は答えた。

「そりゃあ・・・楽しむもんじゃないっスか?」

「そう。今日、純が哲と駅前のイルミネーション見るんだってはしゃいでたんだよ。どこのガキかと思ったよ」
亮介は天井の壁を見つめて言った。
何を言いたいのか倉持はよく分からない。
そういう人だと知っているからこそ、意図をわからなくてはいけないのに。なのにわからなかった。
とりあえず相打ちだけはしとこう。無視したとか言われたくないし。

「そうなんスか」

「はぁ。リア充は爆発しろって感じだよ。クリスマスってキリストのイベントでしょ?なのに日本でも取り入れちゃって。家族団欒で晩御飯食べて、夜中にサンタのふりした親からプレゼントを貰うイベントなのに、バカップルがいちゃつくイベントになっている日本をどう思う?」

何かクリスマスに思い入れがあったのか。よくそこら辺は分からないけど、倉持は自分の思っていることをそのまま答える。

「それもアリだと思いますよ。俺はそういうの憧れますし、やってみた・・いと・・思うんで・・」

自分でも真っ赤な顔をしているのがわかった。
性が悪そうに亮介はニコっと笑って倉持を見ている。

はぁ、穴があるならぜひとも入りたい。

「へぇ、倉持がね。じゃあさ、倉持は今年のクリスマス誰とすごすんだろーね?」

ほらやっぱり、こうやって亮介さんのペースに持って行かれる。
俺を恥ずかしがっている所を見て楽しんでいる。そういう人なんだ。

倉持は心中そう思った。でもそれを言葉に出すことはなかった。

「今は、誰かという予定はないです。今はフリーっス」

倉持はやたら今はと押していた。
その事について亮介は気づいている。
だから、こうやって真っ赤な顔をする倉持を見ていたい。
本当に俺、重症だな。
心の中で亮介は苦笑いをしたが、決して顔に出すなんて倉持みたいな馬鹿なマネはしない。

「そっか。じゃあ俺と一緒、フリーだね。自室でのんびりと過ごすよ」

ほら、倉持が嬉しそうに笑った。分かりやすいんだよ。

「えっと・・じゃあ俺もいっしょ・・に・・その・・」

真っ赤な顔して、倉持が頑張って言おうとしている。
そんなにヘタレの悠長さに待ってられない。

「何?俺の部屋へ来たければ、くれば?」

満面な純粋すぎる笑みを倉持は浮かべた。
本当に分かりやすいんだよ。
ああ、この笑みが見たくて言っている俺、そろそろ病院に行った方がいいな。

「じゃあ、俺、クリスマス、亮さんの部屋行きますっ!」

ああ、だめだなこれは。

「クス。ばーか、いぢめてやるからな」




  ☆  ★  ☆  ★



最後まで駄文を読んでくださり、有難うございます。

はい、クリスマスネタです。
自分のイメージでは哲と純のカップルは少女漫画みたいにロマンチックなイメージで、対称に倉持と亮介は素朴な感じでほのぼのなイメージ。

なんで緩ーくかつ、ほのぼのを目標に書いてみました。

思ったよりまとまりがないな(苦笑)

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あきゅろす。
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