…………………………
……子供よ。
……誰……？
生きたいか。
……誰、だい……君は。
答えよ。生きたいか。
……僕は、死ぬのか。
このままではな。
………。
生きたいか。
………生きたい。生きていたい。
何故だ。貴様は血縁に殺されたのだろう。助ける手もなかったのだろう。世界は貴様をいらぬと言ったのだ。何故そんな世界に帰りたいという。
君が聞いたんだろう……生きたいか、と。
答えよ。
……僕は、世界から争いをなくしたかった……世界は悲しみで満ちている。血で血を洗うような連鎖を断ち、少しでも優しい世界を作る手助けがしたかった。
………。
それに……。
？
僕は一人だった。気付くと側には孤独くらいしかなかった。
でも友達ができたんだ。争いのない世界が見たいと言った。だから僕は、何としてでもそれを成さなければならない。あの日の誓いを偽りにしないためにも。
………。
だから僕は、生きたい。こんなところで終わりにするわけにはいかないんだ。
……いいだろう。
我を宿せ、子供。その程度の毒を消すなど造作もない。
……ありがとう。
代わりに我は貴様の命に巣食うのみ。命の対価は命で贖え。
分かっている。
……君に会えてよかった。僕は約束を破らずに済む。
………。
ねぇ、君は誰だい？
……ふん、世界に不要と言われたもの、それだけだ。
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