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オリジナルSS

「あっ…ふ、ぅ…あっ」

まだ真っ昼間の寝室に響き渡る水音と少年の喘ぎ声。

ベッドの上に押し倒され、窄まりには昂ぶりを銜え込んでいる。
彼は高校二年になる桂純(かつら じゅん)だ。

そんな純の上で額に汗を浮かべながら腰を打ち付ける男が一人。

「あっ…あ…父さ…ふぁっ…」

そう、彼は純の父であり、恋人でもある桂浩次(かつら こうじ)だ。

父と息子で恋人なんて関係、周りには絶対に認めてもらえない。
それでも二人はこの関係を自ら望んだのだ。

最初は彼らも普通の親子だった。
どこにでも居るような仲の良い父と息子。

シングルファザーだった浩次は仕事に家事と、忙しい毎日に追われていた。
正直、総てを投げ出したくなる時もあったが、そんな時、浩次を支えていたのが純なのだ。

純が居れば、どんな辛いことでも耐えられた。
それが親子愛以上だと気づいたのは純が小五になった時。

当然、浩次は自分の感情に戸惑った。
気持ちを伝えるべきか、このまま仲の良い親子で居るべきか。

だが、純が中学に入学したばかりの頃、二人の関係が大きく変わった。
純の方から「父さんが好きだ」と告げられたのだ。

まさかの告白に浩次は舞い上がった。
だが、自分は純の父親だ。
だから必死に突き放そうと考えた。

だけど、やはり自分の気持ちを誤魔化すことなど出来ない。
結局、浩次は純の告白を受け入れ、二人は仲の良い親子から恋人へと関係を変えたのだった。

それから四年近く経った今も二人の関係は変わっていない。

「純っ…気持ち、いいか…?」

腰を打ち付けながら、純の額に貼りつく前髪を掻き分けてやる。

「んっ…父さん…いいっ…はっ、気持ち…い…」

浩次の動きに合わせて身体が揺れ、髪の毛が振り乱れていた。

浩次の与える刺激に心も身体も溺れていく。

「あっ、も…イきそ…っ」

そろそろ絶頂を迎えそうになった頃、ドアの方から物音がし、純はびくっと身体を震わせた。

「──っ!?」

どうやらドアが開いたようだ。
一体なぜ、と思いながら、音の方に眼を向ける。

「あっ! 篤志!」

そこに立つ一人の少年。
純は驚きのあまり、眼を見開いた。

当然だ。
だって、そこに立っていたのは純の友人である湯船篤志(ゆふね あつし)だったのだ。

(見られた…!)

まさか友人にこんな姿を見られるなんて、と純は絶望感のようなものに襲われる。

「君は…純の友達の…篤志君だったっけ?」

「えっ!?…あ、はい」

あまりに衝撃的なものを見たせいでフリーズしていた篤志は浩次の言葉に大袈裟な反応を示した。

「篤志…なんで?」

どうして彼がここに居るのだろう?

純は未だ混乱する頭を必死に働かせて記憶を呼び覚ます。

「あっ!…そうだ。今日、篤志が家に来る約束してたんだった…」

篤志には申し訳ないが、浩次とのセックスに夢中になっていたせいで純はすっかり忘れてしまっていた。

「純、お前な〜。友達との約束を忘れるんじゃない。…俺は夕飯の買い出しにでも行ってくるから」

言いながら、純の中から自身を抜き、衣服を正していく。

純も同じように床に散らばった服を身に纏っていった。





それから純と篤志は純の部屋に移動したが、二人の間には気まずい空気が流れる。

「あのさ…」

最初に口を開いたのは篤志の方だった。

「な、何?」

「さっきのって…純の親父さんだよな? なんであんな…」

篤志が訊きたいことはだいたい予想はしていたが、いざその話題になると動揺を隠しきれない。

「うん…。実は…その…」

何から話していいのか分からず、なかなか言葉が出てこなかった。
友達が父親と恋人だなんて──篤志には辛いことだろう。

「もしかして…親父さんに無理矢理?」

「違う! 僕は無理矢理なんてされてない!」

篤志の言葉に思わず過剰に反応してしまった。
はっとなり、今度は小さな声で話を続ける。

「…自分で望んだんだよ。ずっと黙ってたけど…僕と父さんは付き合ってるんだ」

「付き合ってる!? だってお前ら親子だろ!?」

「でも…付き合ってるんだよ。僕が中学の時から…ずっと。僕から告白したんだ。断られるって思ったけど、父さんは僕の気持ちを受け入れてくれた。僕は父さんが本当に大好きなんだ」

こんなことを言ったら気持ち悪がられるだろう、とは思った。
でも、なぜか篤志には総てを話せてしまう。

きっと分かってくれると思ったから。
一番の親友である篤志なら──。

「そっか…。純は本当に親父さんが大好きなんだな。…俺、応援するから。…そりゃ、最初はめちゃくちゃ驚いたけど、今の話で分かった気がする。純が親父さんをどれだけ愛してるかって…。だから、俺は二人を応援したい。たとえ周りが認めなくても俺だけは二人の味方だから」

「篤志…ありがとう」

篤志の言葉に思わず涙が出た。
こいつが親友でよかった、と改めて感じる。



そのあと、他愛もない話をし、篤志は帰っていった。

「友達は帰ったのか?」

「あ、父さん。うん、帰ったよ」

買い出しから帰ってきた浩次が部屋に入ってき、純が座るソファーに足を進め、隣に腰を下ろす。
純の肩に手を回し、自分の方にぐっと引き寄せた。

「なぁ、純。俺の部屋に行かないか?」

「え?──っ」

その言葉の意味に気付き、顔がぱっと赤く染まる。










「あっ…あ、父、さん…ふぅっ…」

浩次の部屋に連れて来られ、ベッドに押し倒された。
そのまま二人は先ほどの続きと言わんばかりに互いを求め合っている。

純の中には浩次の昂ぶったモノが収められていた。
腰を動かし、純の中を掻き回せば、彼の口からは切な声がひっきりなしに漏れる。

「純っ…」

名前を呼ばれただけで、純の中はぎゅっと締まった。
それが中にある浩次のモノを締め付け、二人は限界を迎える。

「あっあ…父さん、と…さ…んっ」

「純っ…中に、出すぞ?」

「うん、だし、て…。と、さ…の、ほしーよ…。あっ…あああ──っ…!」

中を激しく突かれ、頭が真っ白になっていく。
浩次の背中に腕を回し、その大きな身体にしがみつき、純は絶頂を迎えた。

「っ…純──っ」

それとほぼ同時に浩次も白濁を放つ。
そして、純の中に熱いものが注ぎ込まれた。


*END*



【あとがき】
ここまで読んでくれてありがとうございました。
やっちゃいました、父×息子!
僕的には篤志君がめっちゃいい奴って感じがします。
いや…実際にめちゃめちゃいい子ですが。(笑)
☆adios amiga☆
執筆:2010/05/22

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