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オリジナルSS

友達と遊園地に遊びに来るはずだった中森亜月(なかもり あずき)だが、友達が急用で来られなくなってしまった。

一人で遊ぶのもつまらないので帰ろうとしたら、一人の男に呼び止められ、亜月は足を止める。

「もう帰っちゃうの? 今来たばっかでしょ?」

真ん中で分けられた少し跳ねた髪に、遊園地の制服を来たその男は優しげな顔で問い掛けてきた。
おそらく係員だろう、と思い、亜月は友達が来られなくなったことを告げる。

「そっか。ま、一人じゃつまらないもんね。おいで」

「えっ?」

係員の男に突然腕を捕まれ、そのまま引っ張られていく。
状況を把握できていない亜月は、ただ係員に連れられるままに歩いていった。

着いた先は『係員室』と表示された部屋。
中には着ぐるみや書類などが無造作に置かれていた。
どうやら倉庫のようだ。

「座って。普段は係員の休憩用と倉庫として使ってるから散らかってるけど、ごめんね」

「ぁ、いえ…」

係員に言われた通り、亜月は近くの椅子に腰掛けた。
係員でもない自分がこんなところに来てもいいのか、とも思ったが、今更そんなことも言えず、亜月は黙って係員の行動を眺める。

「そんなに見つめられると照れるんだけど」

「ぁ…すみません。何してるのかな、と思って…」

「別に見ててくれてもかまわかいけど、そんな面白いものじゃないよ。ちょっと書類書いてるだけだから。…ほら、もう終わったし。今お茶淹れるね」

「ありがとうございます」

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あきゅろす。
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