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オリジナルSS

とある飲食店。
ここで働く仲村一季(なかむら いっき)は長い髪に大きな瞳が印象的な少年だ。

「仲村君、悪いんだけど、今日、閉店まで残ってくれないかな?」

優しそうな笑顔を浮かべたコック姿の男はここの店長──藤堂勲(とうどう いさお)だ。
この彼、実は仲村の恋人なのである。

「はい、分かりました」

最近、藤堂は店長としての仕事が忙しくて、なかなか仲村と二人きりの時間を取ることが出来なかった。
だから、仕事ででも一緒に居る時間が増えるのは嬉しいことだ。





それからどれぐらい働いただろうか。
あっという間に閉店を迎え、店内に残ったのは仲村と藤堂の二人だけになっていた。

「あ、仲村君、これ奥に持っていってくれないか?」

「はい、分かりました」

そう言って仲村は厨房へと姿を消した。





「これでよしっと」

「ご苦労様」

「あっ、店長」

厨房を出ようと踵を返した時、声と同時に藤堂の姿が眼に飛び込んできた。

「お疲れ様、今日はこれで終わりだよ」

「そうですか。…じゃ、僕はこれで──って、うわぁっ!」

藤堂の横を通りすぎようとした時、突然腕を掴まれて身体が藤堂の方へと倒れこむ。

「まさかただ仕事のためだけに君を残したと思ってるの?」

「違うんですか?」

「あのねー…君はどこまで鈍いんだよ」

藤堂は掴んだその手を自分の方に引き寄せ、小さな仲村の身体を優しく包み込んだ。

「これ以上俺に我慢させる気か、一季?」

耳元で囁かれる言葉に仲村は胸を高鳴らせる。
久々に感じる藤堂の体温。
それだけで幸せな気持ちになった。

「てん、ちょ…?」

「勲」

「え?」

「いつも二人きりの時には名前で呼んでくれるじゃないか。今、ここには俺たち以外居ないし、店長じゃなくて…名前で呼べよ」

「勲…さん」

その名を口に出すだけで心臓が五月蝿いくらいに脈を打つ。
頬が赤く染まり、このドキドキを藤堂に悟られないように必死で隠すが、藤堂には容易く見破られてしまった。

藤堂の手が服にかかり、ボタンをひとつひとつ外していく。
その器用な姿に仲村はドキッとしてしまう。

あっという間に身ぐるみを剥ぎ取られ、露になった身体を藤堂の手が這っていく。

「あっ…んぅっ」

触れられたところが熱く火照っていった。
心臓が早く脈打ち、熱が下半身の一点に溜まっていく。

「一季、もうこんなにしちゃって…敏感だな」

「だっ、て…んあっ!」

いきなり藤堂の手が昂ぶりに触れ、仲村は背中を跳ね上がらせた。
大きなその手は仲村のものを軽く包み込み、上下に扱いて刺激を与えていく。

「あっ…ん、勲、さ…」

「可愛いよ、一季。…おっ、そうだ。ちょっと待ってろ」

そう言って藤堂は仲村から離れると棚を探り出した。
仲村は何をしているのか、とその様子をただ眺めるだけ。

「おっ、あった」

「なんですか、それ?」

藤堂の手には小さなボトルが握られていた。
どうやら何かの調味料のようだ。

「これはね、ソースだよ。昨日大量に購入したんだ」

ボトルを軽く投げてはキャッチしながら不適な笑みを浮かべた。

「…へぇ〜」

その笑みに仲村は嫌な予感を感じる。
藤堂がこんな顔をする時は決まっていいことがない。

「一季、台に手をついてお尻をこっちに向けて」

「は、い…」

藤堂に言われるがまま台に手をつき、尻を藤堂の方に突き出した。

「恥ずかしい…」

「とっても可愛いよ」

ちゅっと音を立てて仲村の小さな背中に口付ける。
その暖かい感触が妙に心地いい。

「さて、ここからが本番だ」

「?…勲さ──ひゃぁっ!」

後ろを振り向こうとした仲村の下半身に冷たい感覚がした。
なんなのだろう、と眼を向けると、先ほど取り出したソースを仲村の尻に垂らしている藤堂の姿。

慌てて台から離れようとするが、藤堂によっていとも簡単に阻止されてしまった。

「やっ、何…」

「このソースは絶品らしいからね。一季にも味わってもらおうと思って。…中で、ね」

さっきの不適な笑みはこれを意味していたんだ。
今更気付いても後の祭り。
一度火が点いた藤堂は仲村にも止められないのだ。

「んぅっ…」

後悔に押しつぶされていると、ソースで濡れた窄まりに藤堂の指が侵入してきた。

「あっ、んぅ…」

ソースのお陰が、指がスムーズ奥へと進んでいく。
指を曲げたり回したりしながら中を解し、徐々に指の数を二本、三本、と増やしていった。

「そろそろ、いいか?」

「ぅん…早くっ」

「そんなに焦らなくても…すぐに気持ちよくしてあげるよ」

仲村の唇に口付けると、指を引き抜き、代わりに藤堂の昂ぶったモノがあてがわれる。
徐々に奥へ奥へと入っていった。

「はっ…ああっ」

根元まで埋められた藤堂のモノに身体が震える。
もうすっかり覚えてしまった藤堂のモノ。
大好きな相手のモノが自分の中にあるのだと思うと未だに恥ずかしくなった。

「あっ…とうど…さ──っ!?」

火照った身体を再び冷たい感覚が襲い、仲村は肩をびくっと跳ね上がらせた。

「ソースはまだたっぷりあるんだ。これで一季の身体を味付けしてあげるよ」

そう、仲村の背中に垂らされたのは先ほどのソース。
その独特なベタベタとした感触が少し気持ち悪い。

「やっ、そんなの…いいっ」

「そうか? ま、一季はソースなんかなくたって十分美味いからな」

「ばかっ…ああっ」





それからどれくらい経っただろう。
仲村はようやく藤堂から解放されたのだ。

何度ヤったか分からないその身体は行為の余韻とだるさでいっぱいだった。

「もう…ヤりすぎ…。身体ベタベタだし…」

喘ぎ過ぎて枯れてしまった声で悪態をつく。

「ごめん。可愛い一季を見たらつい歯止めが利かなくなって」

「ばか…」

その後、一季は藤堂に家まで送ってもらい、翌日は一日中ベッドから出られなかった。
*END*


【あとがき】
ここまで読んでくれてありがとうございました。
友達の発言などから出来たこのソースネタ。
書くのにめっちゃかかってしまいました…。
執筆:2010/09/06

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あきゅろす。
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