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サブBLSS
あなたが居るから(立寅)


花鹿様はいつも無茶をする。
元気なのはいいが、正直俺の身体が持ちません。

今日もルマティ様と何やら遊んでいたんですが、いつの間にか、危険なことをし出していて焦りました。
俺が慌てて助けたからよかったのですが、俺の方は足を軽く挫いてしまった。

寅之助の怪我は幸い大したこともなく、心配している花鹿にもそう告げる。
その言葉にほっとしたのか、花鹿が部屋を出ていった。

足もさほど痛くないので、雑誌に眼を通して寛いでいれば、そのすぐあとにドアがノックされ、立人が部屋へと入ってきた。
どうやら彼も寅之助を心配して来てくれたようだ。

立人と寅之助はいわゆる恋人という関係にある。
自分の恋人が怪我をしたとなれば、気になるのは当然だ。

「大丈夫か?」

「あ、はい。もう全然。挫いたといってもほんとに軽いものですし、少し休めば仕事に戻れます」

腰掛けていたソファーから立ち上がると、なんともないのを証明するように床を軽く二、三回蹴ってやる。
それに安心したのか、立人は無理をするな、とだけ言うと仕事に戻っていった。
去り際に「絶対に無理はしないようにな」と言い残して。

「しませんよっ」

閉まった扉に向かって少々拗ねたように言葉を吐き捨てるが、立人がそう言うのなら少しは用心しよう、と寅之助は思うのだった。
*END*


*あとがき*
きっと寅之助の苦労は絶えないんだろーなと思いますが、立人が居れば頑張れる、みたいなのが好きです!
執筆:2010/11/26
神奈樹じゅん

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あきゅろす。
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