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裏切りの中に見つけたもの(古キョン)
切甘エロ
たまたま街を歩いていた時だ。
キョンの眼に信じられない光景が入ってきた。
「こ、いずみ…?」
恋人である古泉一樹が知らない女と楽しそうに歩いている。
見間違えじゃないかと疑ったが、自分の恋人を間違えるほど、キョンもバカではない。
あれは古泉だと理解した途端、怒りよりも悲しみよりも絶望感が一気に押し寄せてきた。
「古泉の…アホ」
まるで魂を失ったようにフラついた足取りで部屋に戻ったキョンは、そのまま倒れるようにベッドへとダイブした。
裏切られたという事実に涙が溢れだし、枕を濡らしていく。
それは止まることなく流れ続け、時間はあっという間に過ぎていった。
どれくらい時が流れただろうか?
キョンの涙は止まり、目元は真っ赤に腫れていた。
その時、玄関から来客を知らせるチャイムが聞こえ、キョンは玄関へと足を進めていく。
「どちら様ですか?」
「あの、キョンくん。僕です。開けてください」
「っ…古泉」
今一番聞きたくない声が聞こえ、キョンの表情が凍りついた。
もしこの扉を開けたら、きっといろいろ酷いことを言ってしまいそうだ。
そう思ったら、キョンには扉を開けることができなかった。
「悪いが…帰ってくれ」
「キョンくん? どうしたんですか? 僕、何か気に障ることしましたか?」
「しましたかって…なんで何もなかったように俺のとこに来れるんだよ!」
古泉の言葉に、怒りが一気に込み上げてきた。
それはもう止まることなく、次々と言葉を発していく。
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