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サブBLSS
お風呂上がりの誘惑(アキヒカ)
甘エロ/媚薬/バイブ

風呂から上がると、恋人で同姓中の塔矢アキラがソファーで囲碁雑誌を読んでいるのが眼に入った。
タオルで髪を拭きながら彼の隣に移動し、腰を降ろす。
邪魔をしてはいけないと思い、言葉は交わさなかったが、互いの肩が触れ合って安心した。

「髪、拭いてあげるよ」

アキラは読んでいた雑誌を閉じ、テーブルの上に無造作に投げ捨てる。
雑誌を失ったアキラの視線は、隣に座る進藤ヒカルに向けられた。

「ぁ、ごめん」

せっかく雑誌を読んでいたのに邪魔をしてしまった、と思い、謝罪の言葉を口にすれば、返ってきたのは優しい笑顔。
いつもは無愛想な彼だけに、無性にドキドキしてしまう。

「なんで謝るの?」

「だって、雑誌読むの邪魔しちゃっただろ。俺のことは気にしなくていいから、続き読めよ」

ほら、と雑誌をテーブルから拾い上げてアキラに差し出した。
だが、アキラはそれを受け取ったかと思うと、またテーブルに戻してしまった。
彼の手はそのままヒカルの頬に移動し、親指の腹でそこを撫でてやる。

「と、や…?」

「別に邪魔じゃない。元々ヒカルが出てくるまでの暇潰しだったし」

だから、ヒカルが風呂から上がれば用はない。
むしろ今アキラの気を引くのは目の前にいるヒカル自身なのだ。

「そうだったんだ。なら、よかった」

安堵の笑みをこぼし、頬にあるアキラの手に自分のそれを重ね合わせた。
指先から伝わるぬくもりがなんだか心地よくて、ついうとうとしそうになる。

「眠い?」

空いている方の手で頭を撫でながら聞かれ、ヒカルは首を横に振った。
今寝てしまっては、せっかくの恋人との時間がなくなってしまう。
みすみすそんなことをしたくなどなかった。

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