サブBLSS
遠回り(和谷ヒカ)
切エロ→甘/無理矢理/勘違い
「や、だ…! 和谷、ヤメロ…っ」
どうしてこうなったんだろう?
俺はよく分からなかった。
いつものように院生研修に来ていただけだ。
何も変わらない一日が終わるはずだったのに…。
和谷に家に来ないか、と誘われた。
それが総ての始まりだったんだ。
「も、やだ…」
和谷の部屋に連れてこられた俺は何故かベッドに押し倒され裸にされた。
そして今、和谷が俺のちんちんを舐めてるっ!
「だめ、だよ…。そんなの、美味しくない…っ」
「んなことねーよ。進藤のここは最高に美味いぜ」
そんなことがあるもんか!
(佐為…助けてくれよっ)
初めてのことに恐怖を覚えたヒカルは心の中で佐為に助けを求めた。
「そんなこと言われても…この身のない私には何も出来ません」
そう、霊体の佐為にはただ見ていることしか出来ない。
(そんな〜──)
「あっ…!」
心で佐為と話しているうちに和谷の手はヒカルの窄まりに伸びてきていた。
「ぼーっとしてんなよ。お前、よくそーやってるよな。でも…今はこっちに集中しろよな」
固く閉ざされたヒカルの窄まりを指の腹で下から上へと撫でていく。
「あ、ん…くすぐったいよ」
「ちょっと我慢しろって。…ほら」
眉を潜め、ふぅっと息を吐きながら指をヒカルの唇に当てた。
「んぅ?」
「舐めて」
「へ?」
「濡らさないと進藤が辛いから」
意味が分からなかったが、ヒカルは言われるがままに和谷の指を口に含む。
「ん、んっ…」
和谷の手首を両手で掴み、指を丹念に舐めていった。
(っ…エロい顔して…)
必死になって指に舌を絡めていくヒカルを見ていると、和谷の下半身が反応するのが分かった。
「進藤、もういいよ」
ヒカルの口から指を離し、それを再び窄まりへと持っていく。
「ちょっとずつ射れてくから」
そう言うと和谷は小さなそこにゆっくりと指を埋め込んでいった。
その顔は興奮しつつも緊張しているのが伺える。
「く、ぅ…」
本来とは違う用途で使われたそこはとても狭かった。
和谷の指をぎゅうぎゅうと締め付け、奥への侵入を阻もうとする。
だが、和谷の指は容赦なく奥へと押し入ってきた。
(やだ、やだ! 気持ち悪いよ!…和谷、俺のこと嫌いになったのかな?)
友達だと思っていた和谷にこんなことをされたヒカルは嫌われたと完全に思い込んでいる。
「ヒカル、そんなことないですよ! 和谷君はヒカルが好きだからシてるんです」
なんとかヒカルの誤解を解こうと、佐為が枕元で必死に言い聞かせた。
「うっさい! 勝手に人の心読むなよ! 和谷は俺が嫌いになったんだ! だからこんなことするんだっ」
「し、進藤!?」
いきなり叫びだしたヒカル。
当然のことだが和谷は焦り、彼の中にある指を引き抜いた。
身体を起こし、自らの腕の中に招き入れる。
ヒカルの少し小さな身体が震えているのが直に伝わってきた。
「とりあえず落ち着けよ、な?」
ヒカルの金色の前髪を掻き上げ、額に口づけを落とす。
「っ…和谷! だいたいお前がこんなことするから──うぅっ」
突然、涙が込み上げてきた。
それは次から次へと溢れだし、ヒカルの頬を濡らしていく。
何か…とても辛い。
酷いことをされてることよりも…和谷にされてるってことが俺の心を突き刺す感じがした。
どうしてなのか、俺には分からないけど…。
「…ごめん、進藤。いきなりこんなことされたら、そりゃ嫌だよな。…でも、抑えられなかったんだよ、自分が。進藤を想い過ぎて…つい身体だけでもって思っちまって…」
「へ?…和谷?」
「好きなんだ、進藤が」
いきなりの告白。
ヒカルは気持ち悪いというより、何故こんなことをするのかが気になった。
「…わ、や?…嘘。和谷は俺が嫌いなんだろ!?」
「何でだよ! 何で俺が進藤を嫌いにならなきゃいけないんだよ」
「だって…嫌いだからこんなこと…」
「はぁ!? 嫌いなわけないだろ! 何で嫌いな奴にこんなことしなくちゃいけないんだよ」
嫌われたわけじゃない…?
その一言が俺の心を温かくする。
「ほんとか? 和谷、ほんとに俺を嫌いになったわけじゃないんだよな?」
「当たり前だ。…順番が逆になっちまったけど、俺は進藤が好きだ」
「和谷…」
嫌われていたと思っていた和谷からの告白。
戸惑いながらも、嫌な気持ちは…微塵もなかった。
「やっぱ、気持ち悪い…よな」
「そ、そんなことない! 俺、和谷に嫌われてるって思ってた…。でも、そうじゃないって分かって嬉しいんだ。気持ち悪いことなんてあるもんかっ」
そう、気持ち悪くなんかない。
むしろ嬉しいなんて思ってる俺は…和谷のこと──?
「進藤…? それって…俺、自分のいいようにとっていいの?…進藤も俺を好きだ、なんてさ…」
「いいよ…」
きっと俺も和谷が好きだと思うから…。
*END*
【あとがき】
ここまで読んでくれてありがとうございました。
無理矢理みたいのが書きたかったんですが…。(笑)
結局は両思いだったってことです!
☆adios amiga☆
執筆:2010/04/28
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