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復活BLSS

 
「すみま、せん…ぅ、ぐっ…」

理由など言えない。
だから、その一言を必死で紡いでいった。

「なんで謝るの?……もしかして、この間のこと気にしてる?」

「!?」

この間──それは綱吉が告白してしまった日のことを指しているのだろう。
彼の口からあの日のことが出るなんて思ってもみなかった綱吉は身体を震わせた。

「図星ね。君さ…なんでこの一週間は応接室に来なかったの?」

「…え?」

「前までは毎日来てただろ? 正直、ドアの前まで来て、すぐに帰ってしまうから気になってたんだ。あの子はなんなのかって」

「ひ、ばり…さん?」

確かにあの日以前の綱吉はよく応接室に足を運んでいた。
でも、中に入る勇気なんてなく、いつもドアの前まで来て帰ってしまう。
応接室に入ったのは告白した時が初めてだった。

そんなことをヒバリさんが知っていてくれた。
フラれたはずなのに、綱吉の心は舞い上がってしまう。

「…悪かったよ」

「え?」

一番雲雀が言いそうもない言葉に、綱吉は思わず振り返った。
そこには一週間ぶりに見る雲雀の姿があって、また涙がこぼれてくる。

「人の顔見て泣くなんて、君も随分と失礼だね」

「すみません。でも、ヒバリさん見たら…なんか、涙が勝手に」

「それ、すごい失礼だって分かってる?」

「すみません…」

不機嫌な顔になった雲雀に謝れば、今度は笑みをこぼした。
雲雀の笑った顔なんて見たことがなかった綱吉は驚いて言葉が出ない。

「ずっと考えてたんだ」

すると、しばらく間を置いてから、雲雀が何やら真剣に話しだした。

「君に好きだと言われてムカついた訳を。冗談だと分かっていたのにイライラした。そして、こんな冗談だけは許せないって思ったんだ」

あの告白は決して冗談などではない。
それが伝わっていなかったのかと思うと悲しくなった。

「…前から君のことは気になっていた。応接室の前で百面相してるのを見るのが好きだったんだ。同時に君と群れている奴を噛み殺したいと思った」

「ヒバリ、さん…?」

「気付きなよ。…好きだって言ってるんだよ」

雲雀はそう言って外方を向いてしまった。
その頬が赤らんでいたのに気付き、綱吉まで赤くなる。

「…それって…ほんと、ですか?」

「僕は君と違って冗談は言わない」

「お、俺も! 俺も冗談なんかで好きだなんて言いません!…ずっとヒバリさんが好きでした」

綱吉が言い終わると同時に身体を何かが包み込んだ。
目の前には黒い学ラン。
そして、頭上から雲雀の声が聞こえてきた。

「その言葉、忘れないでよ。君はもう僕のだ。離してやらないから」

一度は絶望を味わったのに、今はこうして愛しい人が自分を好きだと言ってくれている。
その事実が嬉しかった。

「俺も…離れませんから」
*END*
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