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復活BLSS

放課後の教室で抱き締め合っている二つの影。
別に彼らは恋人とか、そんな特別な関係ではない。
ただの友達――それ以下でも以上でもなかった。

そんな彼らがこうなったのは数秒前のことが原因だ。
窓の外が光ったかと思えば、ゴロゴロという大きな音が鳴り響いた。
カミナリが苦手な沢田綱吉は突然のことに驚き、咄嗟に何かにしがみついたのだ。
それが一緒に居た山本武だと気づくのに、そんなに時間は必要なかった。

「ぁ…ごめん、山本。俺、カミナリって苦手で…つい…」

「いや、俺はずっとこのままでもいいけど」

慌てて体を離そうとしたが、すぐに引き戻され、再び山本の腕の中に戻される。
綱吉よりも一回り大きな腕に包み込まれ、綱吉はカミナリで緊張していた胸を撫で下ろした。
それを恋人に見られていたことさえ知らずに――。



「山本…俺、もう大丈夫だから」

「もう少し…ダメか?」

「ぁ…今からヒバリさんと約束があって…」

今朝、綱吉は恋人の雲雀恭弥と放課後に会う約束をしていたのだ。
もうすぐ雲雀が迎えにくる。
だから、こんな場面を見られたくないのだ。

「そっか…ヒバリと…。それじゃ、俺はもう帰るわ。またな、ツナ」

軽く綱吉の頭を撫で、教室を出て行った。
一人になった教室で、綱吉は雲雀が来るのを今か今かと待つ。
ふと窓に眼をやれば、頬を赤く染めて嬉しそうな顔をする自分が映って、綱吉は少し恥ずかしくなった。

「綱吉」

「! ぁ、ヒバリさん」

突然ドアが開いて、待っていた声が綱吉の耳に入ってくる。
勢いよく振り向けば、ドアにもたれかかる雲雀の姿が眼に入った。
今朝も会ったばかりだというのに、数時間ぶりに見る恋人の姿に嬉しくなる。

「一人かい?」

「え? あ、はい。そうですよ」

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あきゅろす。
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