復活BLSS
1
放課後の教室で抱き締め合っている二つの影。
別に彼らは恋人とか、そんな特別な関係ではない。
ただの友達――それ以下でも以上でもなかった。
そんな彼らがこうなったのは数秒前のことが原因だ。
窓の外が光ったかと思えば、ゴロゴロという大きな音が鳴り響いた。
カミナリが苦手な沢田綱吉は突然のことに驚き、咄嗟に何かにしがみついたのだ。
それが一緒に居た山本武だと気づくのに、そんなに時間は必要なかった。
「ぁ…ごめん、山本。俺、カミナリって苦手で…つい…」
「いや、俺はずっとこのままでもいいけど」
慌てて体を離そうとしたが、すぐに引き戻され、再び山本の腕の中に戻される。
綱吉よりも一回り大きな腕に包み込まれ、綱吉はカミナリで緊張していた胸を撫で下ろした。
それを恋人に見られていたことさえ知らずに――。
「山本…俺、もう大丈夫だから」
「もう少し…ダメか?」
「ぁ…今からヒバリさんと約束があって…」
今朝、綱吉は恋人の雲雀恭弥と放課後に会う約束をしていたのだ。
もうすぐ雲雀が迎えにくる。
だから、こんな場面を見られたくないのだ。
「そっか…ヒバリと…。それじゃ、俺はもう帰るわ。またな、ツナ」
軽く綱吉の頭を撫で、教室を出て行った。
一人になった教室で、綱吉は雲雀が来るのを今か今かと待つ。
ふと窓に眼をやれば、頬を赤く染めて嬉しそうな顔をする自分が映って、綱吉は少し恥ずかしくなった。
「綱吉」
「! ぁ、ヒバリさん」
突然ドアが開いて、待っていた声が綱吉の耳に入ってくる。
勢いよく振り向けば、ドアにもたれかかる雲雀の姿が眼に入った。
今朝も会ったばかりだというのに、数時間ぶりに見る恋人の姿に嬉しくなる。
「一人かい?」
「え? あ、はい。そうですよ」
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