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復活BLSS

「っ…ふ、ぅっ…」

小さな部屋の中で聞こえるくぐもった声。
彼──山本武の右手は今、己の性器をまさぐっていた。

「っ、ご、く…でら…」

ベッドに腰掛ける山本の左手の下には恋人である獄寺隼人の写真が置かれている。
自慰行為の傍ら、山本の目線の先にはこの写真があった。

今獄寺は居ない。
仕事でイタリアに行っているのだ。

二十四歳になった彼らは同じ家で生活していた。
でも、中学生の時のようにいつも一緒に居られるかといえば、そうでもない。
大人になった分、彼らは忙しくなっていた。

二人が恋人になったのは九年前。
中学を卒業した頃だ。
告白したのは山本の方だった。

あの頃の獄寺は何かにつけて山本を嫌っていたから、正直自信はなかったが、獄寺は気持ちを受け入れてくれたのだ。
それから彼らの関係は大人になった今でも続いている。

「ぅ…やべっ…」

ここ最近、全くと言っていいほど、二人に身体の関係はなかった。
忙しさにかまけていたせいもある。
だが、時間はあった。
それでもしなかったのは、仕事で疲れた獄寺に負担をかけたくないからだ。

それでも男というのはちょっとしたことで興奮してしまう。
つい獄寺の写真を見てしまった為に、山本は我慢が利かなくなったのだ。

写真の中で笑っている獄寺の顔。
それを見て、いろいろな獄寺を想像してしまう。
だから、つい想像し過ぎて、夜の獄寺を思い出したのだ。

一度想像してしまえば、それは止められなくなる。
自分の下で可愛いくらいに喘ぐ獄寺に、下半身が疼いてきたのだ。

「っ…き、そ…」

久しぶりの刺激に、昂ぶりはすぐに限界を迎えた。
手の動きをいっそう早め、獄寺の写真を手に取る。
それを一心に見つめながら、山本は小さな呟きをこぼして白濁を放った。

「はぁ、はぁ…やべーな…汚しちまった」

写真を手に取ったせいで、放った白濁がそれに飛び散ってしまったのだ。
それはちょうど獄寺の顔の辺りにあり、妙にいやらしい気分になる。

その時、ガチャリとドアが開く音がし、山本は反射的にそちらに眼を向けた。

「なっ…や、や、やま…もと!?」

山本と眼の合った獄寺は、すぐにそれを見開いて固まってしまう。
無理もない。
今、山本は下半身を曝け出した状態なのだ。
何をしているか、なんて一目で分かった。

「獄寺…」

だが、山本はそんなことなど気にせず、獄寺に近づいていく。
そして、その身体を力一杯抱き締めた。

「や、まもと?」

「イタリアから帰ってきたんだな…。もう我慢出来ねぇ」





獄寺をベッドに押し倒し、山本はその身体をまさぐっていく。
その下半身は既に昂ぶり、窄まりには山本のモノが収められていた。

「っ、ま…もと…」

「獄寺…すっげー可愛い…っ」

久しぶりに感じる互いの体温に二人は酔いしれていく。
山本が腰を打ち付ける度にベッドがうるさいくらい悲鳴をあげた。

ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てながら中を突いてやれば、獄寺は眉をひそめて山本の背中に回した手に力を込める。

「も…ぅっ」

「ん? イきそ?」

爪が食い込むほど力を込めた獄寺の耳元で、そっと問いかけてやる。
吐息混じりに囁かれたその言葉に、獄寺は胸が高鳴るのを感じた。

普段なら素直に言えない獄寺だが、もう理性などとうの昔に崩され、素直な言葉が口を滑り落ちていく。

「んっ…き、たい…っ」

「りょーかいっ」

その言葉を待っていた、と言わんばかりに、山本は獄寺の足を腹につくほど持ち上げた。
そして、ラストスパートをかけるように腰を打ち付けてやる。

「ぁ…んっ…も、と…あああ──…っ」

「獄寺…っ」

互いの名前を呼び、昂ぶる下半身の熱を解放した。





「でも、お前明日までイタリアじゃなかったっけ?」

行為後、ベッドで寛ぎながら、山本がふと口を開いた。
その手は獄寺の派手な頭を愛しそうに撫でている。

「早く終わったから帰ってきたんだ。…悪いかよ」

先ほどまでの可愛らしさはどこへやら。
またいつもの不機嫌な獄寺に戻ってしまった。

「いいや、悪くないぜ。すっげー嬉しかったのな」

でも、素直じゃない獄寺も可愛い、と思う山本である。
ふっと一笑いこぼすと、獄寺の額に口付けを落とし、眼を瞑った。
*END*
- - - -[あとがき]- - - -
十年後設定で山獄書いてみました!
まだまだ駄文ですが、読んでくれてありがとうございました!
執筆:2010/11/29
神奈樹じゅん

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