別人 1
「なんで…2人がいるの…?」
とりあえず先生の言葉を完璧無視して
お兄ちゃんは部屋の掃除、
小雪は雑炊などの軽食作り
を始めた
一段落したところでお兄ちゃんは
「もう平気だろ、」
と言って家に帰った
白状だな〜
と当時は思ったが、今思うとお兄ちゃんはいろいろ考えてたんだと思う
そしてあのときお兄ちゃんと帰っていれば辛い思いをしなくて済んだのだと思う
「先生、大丈夫?
てか先生のお母さんとかは助けに来ないの?」
気が利く言葉は見つからず
とりあえず沈黙が嫌で言葉を発した
それに、先生には家族の影が全くなく
日頃からの疑問だった
「親は遠いとこにいるんだ」
親が来ないことに疑問を抱きつつも深くは聞かなかった
「1人でも大丈夫…
な、もう小雪も帰れ」
突然先生に邪魔、
と目で威嚇されたあたしは驚いて声も出なかった
「もう一度言う、帰れ
あと2週間もすればまた家庭教師を始める
予習と受験勉強でもしてろ」
前の常にニコニコ笑顔の先生は全くいなくて
冷酷な淡々と話す人になっていた
「先生…どうしたの…?
なんで笑ってくれないの……?」
今にも泣きそうになりながら言った
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