★ スタホ殺人事件 ★
激震@
駿介は満足感一杯で『シグマヴォルテクス』のリフレッシュとメロンをあげて放牧した。
『水分摂りすぎかな?』
駿介は苦笑いしてトイレに立つと、伊井も
『俺も昨日飲みすぎたみたい。』
と示し合わせたかのように席を立った。
『なんだよ、連れしょんかよ』
思わず駿介は苦笑いしたが、生理反応には叶わない。2人揃ってトイレに向かった。
トイレに行きながら伊井が
『ダービー行くのか?』
と訊いてきたので、駿介は笑いながら
『ラリーも三冠も興味ないからな。権利取れたんで古馬にしてWBCに行くつもり。』
『そうか…じゃあ、居闇がダービー1番人気か…』
伊井が少し残念そうに答えたが、間髪入れずに駿介が
『いやいや、ダービーに出す気満々ってところを、居闇に見せつけてプレッシャー掛けてやるよ。』
と返した。
『なるほどね、居闇のことだからどうするかね?意地でも出しそうだけど。』
『かもな。でも居闇の困った顔見たいじゃん』
『そりゃそうだ。俺も見てみたい』
2人はずーっとそんなやりとりしながらトイレから出てきた。
『俺、ポカリ追加』
伊井がそう言うとスタホの反対側にある自動販売機に向かって行った。
駿介は途中のカウンターで女性店員と一言二言交わしてから自分のサテに戻った。
サテに戻った駿介は、『シグマヴォルテクス』を古馬にするまで時間ができたため、次に厩舎の馬たちをどうするかを考えるために、スタホノートを持ちながら牧場画面に切り替えた。
『えっ』
4頭いるはずの馬が3頭しかいないのである。
『うっ、嘘』
駿介が慌てて確認するが、一番左端にいる筈の『シグマヴォルテクス』がいないのである。
『ど、どういうことだよ』
焦りまくる駿介は見る見る顔が真っ赤になってきた。
『どうしたんだよ、駿介。』
ポカリを右手に持った伊井がサテに戻り、慌てている駿介に気がついて声を掛ける。
駿介が叫んだ。
『『ヴォルテクス』がいない』
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