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★ スタホ殺人事件 ★
リベンジF

レースがスタートする。

シグマアルツァモーロは先頭に出るとあっと言う間に大逃げを打つ。流れ的に悪くはない。
が、ほかの馬の位置どりを見ている間に800mのラップタイムを見逃してしまう駿介

『ん?、速いのか?遅いのか?』

直線に入ったあたりのラップで見ればペース判断もまだ可能だが、生憎、駿介は表示される通過ラップ以外でペース判断できるほどペースに対するこだわりは持っていなかった。

直線を向くシグマアルツァモーロ。サテのランプは半分少し上で光っている。

『逃げ切れるか?』

駿介が色気を持ち始めたまさにその瞬間に、最後方にいた3頭が一気に追い込みMAX状態で動き始める。

『くわっなんだこの勢いは

サテ上部に示される馬番の表示が3頭編隊で後ろからほかの馬をごぼう抜きして追い込んでくる。

対してシグマアルツァモーロは、まだ1ハロン以上残っている状態でサテのランプは一気に下降、底近くなっている。

『こりゃダメだわ…。』

駿介が天を仰ぐ。

しかし、まだ後続とは10馬身近く離している。極まれに起きる大逃げ最後のちょっぴり勢い復活が起これば勝利の可能性がない訳ではない。

サテランプに僅かな期待を込めるが、ランプは最下部の底で微かな光りを放つだけ、大画面モニターでは頭が完全に垂れてご臨終…。

『終わった…。』

駿介が呟くと同時に後続の三列編隊で飛んできた馬に交わされると、あとはなし崩し的に後続の馬群に沈むシグマアルツァモーロ。

完敗E着。まだ一桁着順でゴールしたことが奇跡的とも思える結果だ。

『使いどころないな、こりゃ…』

オッズは上昇するが、反対に着順は下降の一途、これじゃ期待感は薄れるばかり。駿介のモチベーションが一気に下がる。

『やっぱり、スタホって難しいし、いやらしいゲームだなぁ…。』

常連さんから嫌われているテーヘン厩舎のパンダ馬が、春天に続きビクトリアマイルを連勝したのをみて、駿介はつくづくそう思った。



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あきゅろす。
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