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★ スタホ殺人事件 ★
お茶

小田中南警察署の刑事課の朝はのんびりだ。

所轄で起きている事件と言えば、下着泥棒とチンピラ同士の小競り合いが主で、新聞やテレビに載るような事件は最近起きていない。

『お茶ある〜?』

何とも緊張感のない声が刑事課の事務室内にこだまする。

『もぉ〜っ、お茶汲み係じゃないんですから、自分で入れてくださいね、轟さん

女性事務員がいつもと同じようにつれなく返事すると、轟は席を立ってお茶の給湯器に湯呑み茶碗をあてた。

『も〜っ、萩村ちゃん、そんなにつれなくするとお嫁に行けないよ〜

脳天気に轟が萩村をからかう。

『大きなお世話ですぅ〜

萩村が持っていた回覧板の板で轟のお尻を叩く。

『うわっちっちっ

轟の左手からお茶がこぼれて手にかかり、轟は慌てて盆踊りを踊るように飛び跳ねながら湯呑みをデスクの上に置いた。

『頼むよ、萩村ちゃん、危険なオトコに近づく時は…。』

『まずは威嚇射撃でしょ?そんなバカなことしませんよ〜だ。』

萩村は轟にアッカンベーをしながら刑事課を出ていった。

『火傷したらどうすんだよ…全く…。』

轟の様子を見て高村刑事課長が笑った。

『あ〜っ、課長までひどいなぁ…。』

『ひどいのは君だろう?女性には優しくしてあげなくちゃな。』

『スキンハップですよ、スキンハップ。』

『君、それを言うならスキンシップだろう。スキンハップは君が腰に貼ってる湿布だろ?(笑)』

『ハ、ハップでもシップでも、か、関係ないっすよ

思わず刑事課の中のあちこちのデスクから笑い声が上がった。

轟が自分の席に戻ると高村刑事課長席の電話が鳴った。

『何っ幸町2丁目に男の死体?わかった、直ぐに行かせる

高村刑事課長の張りのある声に刑事課のメンバーに緊張が走る。

高村刑事課長は電話を切ると中にいた刑事全員に現場に向かうよう指示した。

『頼んだぞ、愚連隊

高村刑事課長が轟に一言声を掛ける。

『任せといて下さいって

轟が上着を肩に掛けて勢いよく飛び出して行った。

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あきゅろす。
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