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★ スタホ殺人事件 ★
足で回るC

轟は勢いよく署を飛び出したものの、行き先にあてがあった訳ではなかった。

ジッとしていることに耐えられなくなって、勢いで飛び出したのだが、署の正面玄関を出たところでふと冷静になって立ち止まった。

「何もあてがない…」

青空を見上げていると町田が飛び出してきた。

「もお…いっつもこうなんだから…」

町田は轟に振り回されるのだけは勘弁して欲しいといった表情をしながら、それでも轟に付いていれば何か手掛かりが掴めるはずと付いてくるのだけはやめない。

「どこ行くんですか」

口を尖らせながら町田が轟に尋ねる。

「現場100回…か…」

轟が町田に答える訳でもなく呟く。

「えっ?どこです?ちょ、ちょっと轟さ〜ん」

歩き始めた轟を追いかけるように町田が早足で正面玄関の階段を駆け下りる。

町田が轟に追いついた正門のところで

「轟刑事」

と呼び止める声がする。

轟が声の方を向くと観音寺がちょうど駐車場から出てくるところだった。

「何か新しい情報ないですかね?」

「…」

「ほぉ〜っ、今回はなかなか難しいヤマみたいですね…」

「…」

「害者の身元は…」

「課長に訊くんだな…」

普段は観音寺に対して不機嫌な態度を見せない轟が、珍しく苛立った様子で答えると、轟は足早に正門の先へと急いだ。

「やれやれ、なかなか難しいみたいっすね…」

観音寺は苦笑いしながら轟の後ろ姿を見送った。



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あきゅろす。
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