long novel 3 家に戻り、自分の部屋で勉強をしていた俺は、息抜きに小学校や中学校時代のアルバムを眺めることにした。 俺が写っている写真には必ず弘樹がいた。 一緒にいると、すごく楽しいし、安心できた。 …でも時々、弘樹が好きな子の話しをすると何故か胸が痛くなる。 苦しい。 聞きたくない。 どうしてそんな気持ちになるのか、わからなかった。 でもこれは単なる友情だと自分に言い聞かせアルバムを閉じた。 …――翌日 俺は1人で学校へ向かった。 弘樹、怒るかな? 歩きで出たから少し遅れ気味で校門をくぐった。 すると、後ろから聞き慣れた声が俺を引き止める。 「忍。」 頬を膨らませている姿を想像していたが、全くそんな様子もない弘樹に俺は少し驚いた。 でも、怒っていないようだから安心して笑顔で挨拶をする。 「おはよ。」 「…おはよ。」 …元気ない? 1テンポ遅れて返ってきた返事にいつもの元気がないことに気付き、心配になる。 「何かあった?」 「ん?何もないよ。眠いだけ。」 「そう。ならいいけどさ。」 目をこする弘樹にホッとしながら、弘樹の肩に手を置いて言う。 「何かあるんだったら俺に言えよ?俺はお前の親友だからな。」 微笑んでやると、弘樹は照れくさそうにありがとうと呟いた。 [*前へ][次へ#] |